タイ地方公務員採用試験の大規模不正事件。全工程で不備や不正が発覚!

タイ政府が設置した調査委員会は、2025年に実施された地方自治体の公務員採用試験について、試験の実施から採点、合格発表、採用に至るほぼ全工程で不備や不正が存在していたとする調査結果をまとめた。
特に、受験者の得点が意図的に改ざんされた疑いが浮上しており、試験制度そのものの抜本的な見直しが求められている。

「事実調査・法的検討委員会」は報告書を提出し、アヌティン首相は8月11日に勧告内容を承認した。

◆承認された8,548人を大幅に上回る1万5,520人を採用

調査委によると、試験実施時に承認されていた地方自治体の欠員数は8,548人だったのに対し、最終的な採用者数は1万5,520人に達していたという。

承認された枠を大幅に超えて採用が行われたことについて、調査委は関連法令に適合していたかどうかをさらに調べる必要があると指摘している。

また、試験運営を請け負った業者が採点業務を別の業者へ再委託していたほか、試験結果の追加コピーも作成されていたことが判明した。

◆不合格者の点数を引き上げ

今回の調査で最も深刻な問題となったのが、試験結果の改ざんだ。

パートA、Bの試験直後に作成された採点結果と、その後正式に発表された結果が一致していなかった。

電子データの記録や関係者への聞き取りから、担当者らに対して得点データを変更するよう指示や調整が行われていた証拠が確認されたという。

具体的には、当初は不合格だった受験者の点数を引き上げて合格者に変更したり、すでに合格していた受験者にさらに点数を加えたりした疑いがある。これによって合格者名簿の順位や、その後の採用機会にも影響が及んだ。

調査委はこうした行為について「重大な不備」と指摘し、権限を持たない外部関係者が試験結果の変更に関与したことは、明らかに不正・腐敗行為に当たるとの見解を示した。

◆不正疑惑の逮捕後も採用手続き続く

さらに調査委は、試験不正ネットワークの関係者が逮捕された後も、合格者名簿に基づく採用が続けられていたことを問題視した。

採用手続きが停止されたのは、その後の段階だったという。

調査委は、こうした対応が内務省の指揮・行政システムの弱さを示しており、公務員採用制度に対する国民の信頼を損なったと指摘している。

関係者については、刑事・民事・行政上の責任に加え、倫理規定に基づく処分も含めて追及するよう内務省に勧告した。

◆得点を再計算、不正採用者は取り消しへ

調査委は、問題となった試験について、当初の光学式マーク読み取り(OMR)データを基に得点を再計算し、合格者名簿を作り直すことを提案した。

得点が不正に変更された証拠がある受験者については、他の受験者と分けて調査した。
その結果、採用資格がなかったことが判明した場合には、合格者名簿から削除するとともに、採用済みの場合は採用を取り消すよう求めている。

さらに、資格がないまま採用された人物については、すでに受け取った給与やその他の報酬の返還を求める可能性も示した。

◆再発防止へ「不正受験者データベース」構築

政府は再発防止策として、過去に公務員採用試験で不正を行った人物を登録する中央データベースの構築も検討するという。

各政府機関が採用時に照会できる仕組みとし、不正行為の記録がある人物が再び公務員採用試験を通じて公職に就くことを防ぐ狙いだ。

また今後の試験ではITセキュリティー、データ保護、アクセス権限、操作履歴の記録などを強化し、試験結果が変更された場合に検知・追跡できるシステムの導入も求められている。

今回の不正疑惑は、地方公務員の採用試験そのものへの信頼を揺るがす事態となっており、タイ政府は今後、関係機関に対して3カ月ごとに対応状況を首相へ報告させる方針だ。

腐りきったタイ社会が、ある程度まともになるまで、何百年かかることやら…。

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