中国企業による工業団地開発計画に懸念。タイ東部で土地集積拡大、工業団地認可未確認など。

タイ東部経済回廊(EEC)地域で中国企業による投資と土地取得が拡大するなか、チョンブリー県で進められている大規模工業団地開発計画を巡り、土地利用規制やインフラ負荷、外国資本の監督体制に対する懸念が強まっているという。

◆中国企業投資は急増、6,000億バーツ超

タイ投資委員会(BOI)によると、2021年から2025年9月までに中国企業からの投資申請は2,449件、総額約6,087億バーツに達し、タイ国内への進出は急速に拡大している。

この流れを背景に、EEC地域では工業団地内外での土地取得が活発化し、チョンブリー県やラヨーン県では過去2年間で土地価格が20~30%上昇したとされている。
現在、チョンブリー県の工業用地は1ライあたり約950万バーツと国内最高水準となっている。

◆最大5,000ライ規模の工業団地計画

業界関係者によると、中国系企業 Hengtu Industrial Park Co., Ltd. は、チョンブリー県ボートーン郡で「Hengtu Industrial Park」構想を進めているという。

報道では最大約5,000ライ(約800ヘクタール)の土地集積を計画し、第一段階として約1,000ライの開発に着手。
造成工事やインフラ整備に加え、最大300メガワット規模の電力供給申請も行われたとされる。
水道事業者への工業用水供給の打診も確認されている。

◆正式な工業団地認可は未確認

一方、タイ工業省関係者は、同社から工業団地や工業区域としての正式な申請は確認されていないとしている。

商務省事業開発局(DBD)の登記情報では、同社の登録資本金は500万バーツで、事業内容は不動産仲介業。
株主構成はタイ人60%、中国人40%とされ、外国人事業法上は問題がないものの、当局は名義貸し(ノミニー)の可能性についても慎重に監視する方針を示している。

◆用途規制とインフラ負荷への懸念

計画地はEEC都市計画上「薄黄色ゾーン」に指定され、本来は農業・地域コミュニティ支援を目的とする区域とされている。このため、工業用途への転用には用途変更や環境影響評価(EIA)、住民公聴会などの手続きが必要とされる。

また、300メガワット規模の電力需要や大量の工業用水需要が見込まれることから、電力・水資源・排水処理など地域インフラへの影響も懸念されている。

専門家は「包括的なインフラ計画なしの開発は持続可能性に問題がある」と指摘している。

◆中国資本の“囲い込みモデル”への警戒

タイ産業界では、中国企業が製造・物流・不動産などを一体で構築する「垂直統合型投資モデル」に対する警戒感も高まっている。

ラヨーン県やチョンブリー県の一部地域では、土地取得の拡大により価格や賃料が急騰し、地元企業が事業拡大を断念するケースも出ているとされる。

今回の計画は、外国投資を積極的に受け入れるタイ政府の方針と、土地利用規制・監督体制・インフラ管理のバランスをどのように取るかを問う象徴的事例として注目されている。

言わんこっちゃない状況が、タイでは着々と進んでいます。

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