タイ、IMF・世界銀行年次総会でプミポン前国王の「5つの開発原則」を世界に発信!

タイは、2026年10月12~18日にバンコクのクイーン・シリキット国際会議場(QSNCC)で開催されている国際通貨基金(IMF)・世界銀行グループ年次総会で、プミポン・アドゥンヤデート前国王(ラーマ9世)が実践してきた「5つの開発原則」を国際社会に紹介している。

会場内のタイランド・パビリオンには、特別展示「The Royal Legacy: Empowering People, Building Resilience(王室の遺産:人々に力を与え、強靱性を築く)」が設けられ、前国王が提唱した「足るを知る経済哲学(Sufficiency Economy Philosophy)」や、地域社会を中心とした開発理念が紹介されている。

タイ中央銀行(BOT)の元総裁、ウィーラタイ氏によると、今回の展示は、数十年にわたるタイ独自の開発経験を世界各国と共有することを目的としている。
財務省とタイ中央銀行の作業部会が、前国王の数多くの開発理念から5つの原則を選び、国連の持続可能な開発目標(SDGs)などと関連づけて紹介している。

第1の原則は「大きな問題の解決は、小さな問題から始める」こと。
国家規模の課題であっても、まず地域住民が直面する具体的な問題を理解し、解決することが、社会全体の発展につながるという考え方だ。

第2は「人々を中心に据えた開発」。
行政機関の都合ではなく、地域ごとに異なる住民のニーズや生活環境を優先し、実際に人々の暮らしがどれだけ改善されたかを開発の成果として重視する。

第3は「理解する・人々に届く・開発する(Understand, Reach, Develop)」。
問題を十分に理解し、住民との対話を通じて信頼関係を築いたうえで、適切な開発事業を実施するという理念で、持続可能な成果を生み出すための基本原則とされる。

第4は「自然の力を利用して自然の問題を解決する」こと。
前国王が推進した洪水対策の「モンキー・チーク(猿の頬袋)」方式や、ベチバー草を利用した土壌保全などが代表例で、現在世界的に注目される「自然を活用した解決策(Nature-based Solutions)」にも通じる。

第5は「危機に対応できる強靱性(レジリエンス)を築く」こと。
個人や家庭、地域社会から国家経済に至るまで、予期せぬ危機に耐え、回復できる力を育てるという考え方だ。
1997年のアジア通貨危機を経験したタイにとって、経済成長だけでなく、危機への備えを重視する重要性を示している。

展示会場ではこのほか、自然素材や地域の伝統技術を取り入れたアート作品「ONE THAILAND WEAVING CONNECTIONS」と「ONE THAILAND WEAVING THE FUTURE」も公開。
織物を通じて、人々が協力しながら未来を築く姿を表現している。

今回の年次総会でタイが掲げるテーマは「Thailand’s New Horizons: Empowering People, Building Resilience(タイの新たな地平:人々に力を与え、強靱性を築く)」。

ウィーラタイ元総裁は、今回の展示について、前国王が長年にわたって実践してきた開発手法を世界に伝える機会になると説明している。

タイは、地域の実情を理解し、人々の生活を最優先に考え、将来の危機に備えるというラーマ9世の開発理念を、持続可能な社会づくりに向けた一つのモデルとして国際社会に発信している。

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