ホンダ、タイ政府に「不公正な競争環境の是正」を要請。EV関税やハイブリッド税制見直し訴え
- 2026/8/16
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タイの自動車市場で競争が激化する中、ホンダ・オートモービル(タイランド)の岩波浩司社長兼CEOが、タイ政府に対し自動車市場の「公正な競争環境」の整備を求めた。
EVやハイブリッド車を巡る関税・税制の見直しを訴える一方、タイ国内の生産能力を拡大する方針も明らかにした。
岩波氏は「Honda Super-ONE EV」の発表会で、現在、日本や欧州、米国から完成車(CBU)を輸入する場合、最大80%の輸入関税が課される一方、一部の国から輸入されるEVやレンジエクステンダーEV(REEV)には関税0%が適用されていると指摘した。
ホンダは関税をゼロにすることを求めているのではなく、競争条件を均衡させるため、税率の引き下げを政府に検討してほしいとの考えを示した。
関税が見直されれば、日本で人気の「FREED」「JAZZ」「STEP WGN」などのモデルについても、タイの消費者がより購入しやすい価格で選択できる可能性がある。
一方、ホンダのプラチンブリー工場は年間生産能力約11万台に近い水準で稼働している。
このため、一部車種についてはタイ国内生産ではなく完成車輸入に頼らざるを得ない状況となっているという。
同工場では現在、国内向けと世界70カ国以上への輸出向けに6車種を生産している。
◆ハイブリッド車の物品税にも懸念
ホンダは、バンコク日本人商工会議所(JCC)を通じ、他の日本メーカー5社とともにタイ政府と8つの主要課題について協議している。
特に緊急性が高いとしているのが、ハイブリッド車(HEV)に対する物品税だ。
タイ政府は、減税措置を受ける条件として、メーカーにタイ国内で生産された部品の使用拡大を求めている。
ホンダは条件への対応には前向きな姿勢を示しているものの、新基準の導入時期について、新型車の投入サイクルと合わせるよう求めている。
新基準が直ちに適用された場合、一部のホンダ車は対応が間に合わず、物品税率が6%から8%、さらに10%へと段階的に上昇する可能性があるという。ホンダは、税率上昇によってハイブリッド車の価格が大幅に上昇し、家計負担が増すことを懸念している。

◆中国メーカーの低コスト戦略にも対応
中国メーカーとの競争については、中国メーカーが部品や素材を共通化することで低コスト化を実現していると分析している。
日本メーカー側も危機感を強めており、複数メーカーが共同開発などを通じてコスト削減を進めている。
また、ホンダはタイのBEV市場について、使用済みバッテリーを適切に処理・リサイクルするための包括的なインフラがまだ十分に整っていないと指摘している。
バッテリーのリサイクル体制が確立されなければ、EVが必ずしも環境面で十分に持続可能とは言えないとの認識を示した。
◆120億バーツ超を投資、2029年に年産15万台へ
こうした市場環境の変化にもかかわらず、ホンダはタイでの雇用を削減する計画はないとしている。
今後はAIなどを活用してプラチンブリー工場を「スマートファクトリー」へ転換し、120億バーツを超える投資を行う計画だ。
生産車種を現在の6車種から8車種へ増やし、2029年までに年間最大生産能力を15万台へ引き上げる。
追加される2車種には「Honda Avancier」と新型Bセグメント車が予定されている。
ホンダは2026年のタイ国内販売目標を7万6,000台に設定しており、関税・税制を巡る政府との協議を進めながら、タイを重要な生産・販売拠点として維持、強化していく方針だ。






































