タイ大林組、ラチャダムリに大型複合施設。ホテル部に西武プリンス、2029年12月開業へ。

タイ大林組を運営するナンタワン社(บริษัท นันทวัน จำกัด。タイ大林組の登記上の会社)は、バンコク中心部ラチャダムリで開発する大型複合施設「O-MESH Ratchadamri(โอ-เมช ราชดำริ)」の定礎式を行った。
建設費は約80億バーツで、2029年12月の完成・開業を予定している。

計画地は、ラチャダムリ通りのソイ・マハートレックルアン3(ซอยมหาดเล็กหลวง 3)入口に位置する約6ライ(約9,600平方メートル)の敷地となっている。
BTSラチャダムリ駅と建物を直接接続し、オフィス、ホテル、商業施設を組み合わせたミックスユースプロジェクトとして計画されている。

建物は地上36階、高さ約177メートル、延べ床面積(GFA)は約11万7,000平方メートル。
ホテルは203室を設け、西武プリンスホテルズワールドワイド(Seibu Prince Hotels Worldwide)が運営する。
このほか商業スペースや約900台収容の駐車場を整備する。

◆タイ大林組とサハグループが共同開発

今回のプロジェクトでは、タイ大林組とタイの大手企業グループ「サハグループ」傘下のサハ・パタナ・インターホールディング(SPI/บริษัท สหพัฒนาอินเตอร์โฮลดิ้ง จำกัด (มหาชน))が連携し、ホテル部分の不動産開発を共同で進める。

ナンタワン社のポーンチャイ社長によると、ラチャダムリはタイ大林組にとって特別な場所でもあるという。
同社はこの地区に約30年間オフィスを構えており、タイで事業を成長させる重要な拠点となってきたからだと話す。

同社はその歴史を受け継ぎながら、これまでの賃貸スペース運営や建設事業で培った経験を不動産開発へ広げ、「価格ではなく品質で競争する」プロジェクトを目指すとしている。

◆日本とタイのデザインを融合

「O-MESH」という名称の「O-」は「O-NES」と「OBAYASHI」に由来し、「MESH」には異なる要素を結び付けるという意味が込められている。オフィス、ホテル、商業施設だけでなく、人、文化、ライフスタイル、都市をつなぐ空間を目指す。

建築コンセプトには「The Crafted Legacy」を掲げ、大林組が培ってきた精密な施工技術やものづくりへのこだわりを現代的なデザインに取り入れる。

オフィス部分の外観には、タイと日本の伝統的な「編み・織り」から着想したデザインを採用。
ホテル部分では「Garden in the Sky」をテーマに、周辺の豊かな緑と調和する高層建築を計画している。

◆PM2.5対策やスマートビル技術も導入

機能面では「Hotel supports Office / Office supports Hotel」を掲げ、ホテルとオフィスが互いの機能を補完する施設を目指す。

スマートビルシステムやエレベーターの効率的な運行を可能にするディスティネーション コントロールシステムを導入するほか、建物内部の空気質管理、PM2.5対策、外気導入などにも力を入れる。

環境面ではサステナビリティとESGを重視し、国際的な建築物評価制度であるLEEDやWELLの考え方を開発段階から取り入れる。「Keep the Green Character of Ratchadamri」を掲げ、ラチャダムリ地区の緑豊かな景観を建築やランドスケープにも反映する方針だ。

建設には「LRV Technology(Left-Right-Vertical)」と呼ばれる技術を鉄骨・鉄筋コンクリート構造と組み合わせて導入する。
部材をあらかじめ準備して現場で組み立てることで、施工品質や作業効率を高めるとともに、工期、現場作業員、建設廃棄物、粉じん、騒音などの削減につなげる。

タイ大林組は「Art of Engineering for Tomorrow」を掲げ、建設会社として培ってきた技術力を生かしながら、ラチャダムリの新たなランドマークとなる複合施設の開発を進める。

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