セター氏が国王から正式に首相承認。「ともに前進しよう!」との演説に連立を外された前進党の思いは…。

タイ貢献党のセター・タウィーシン氏は、2023年8月23日水曜日、タイ国王から首相任命の承認を得て、第30代タイ首相に就任しました。
同氏は、バンコクのタイ貢献党本部で、マハ・ワチラロンコン国王の肖像画に敬意を表しました。

その後、同首相は演説を行い、4年間は不平等と国民の苦しみを軽減し、タイを国際舞台に戻すための変革の期間となると語りました。
「タイのすべての兄弟姉妹を、政府とともに力となって、一緒に前進させるよう呼びかけたい」と挨拶の言葉を述べました。

今回、タイ貢献党は、いくつかの公約を掲げて選挙に臨みました。
その中には、景気浮揚策やデジタルマネー1万バーツの配布、
全路線で20バーツの鉄道補助金、最低賃金一日600バーツ、大卒の初任給は25,000バーツ、そして3兆バーツの観光復興計画などがあげられています。

しかし、実際にセター政権が稼働するまでには、少なくともあと3週間は必要だと言われています。

先ず組閣を1週間以内に完了させる必要があります。
その後、組閣リストは資格審査のために首相官邸に送られ、資格審査に約1週間、合計で2週間かかります。
次に、組閣に対する王室の承認、つまり閣僚の国王へのプレゼンテーションがあり、これにも約1週間かかります。
つまり、現時点から組閣が可能になるまで、あと3週間ほど必要となるのです。

ただし、組閣後も15日以内に政策を議会に提出しないと内閣は機能しません。

したがって、政府は9月末に向けて作業を開始する可能性があると予測されています。
この政策声明が発表されるまで、政府は重要な活動を行ったり、決定を下すことができないのです。

緊急で何かを決めなければならなくなった場合は、現在の暫定政権が決めることとなります。

しかし、セター首相の長い長い演説の中で、地元メディアが抜き出した一節である「一緒に前進させるよう呼びかけたい」が皮肉めいていて思わず苦笑いしてしまいました。

前進党を切り捨てて首相になったセター氏が、前に進もう(ไปข้างหน้า)と言っていたということなのですが、前進党の前進はก้าวไกลで「進歩する」といった意味。
多少、異なった意味ではありますが、もし皮肉を込めていったとすれば、腹黒すぎて末恐ろしさを感じずに入られません。

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