タイメディアも指摘。FDにFAXを未だに使い続けるアナログ大国ニッポン!にデジタル化の未来はあるのか?

新幹線、ロボット、最先端の携帯電話などで未来の国として知られる日本だが、少なくとも1つの分野では依然として世界に遅れをとっているとタイのメディアで報じられています。
一体どういうことなのでしょうか。

報じられている内容を、詳しく見て行きましょう。

世界第 3 位の経済大国である日本のデジタル化は、そのアキレス腱となっていることが証明されています。
なぜなら、その多くは依然としてアナログ技術に頼っているからです。

キャッシュレス決済を例にとってみても、日本のライバル国の方が世界をリードしていると言えます。

過去10年間でキャッシュレス決済は2倍以上に増加し、全取引の36%に達していますが、日本は依然として韓国やシンガポールに大きく遅れをとっています。

未来都市・東京に到着した訪問者には、遅れの理由がすぐにわかりました。

市内の歴史的な浅草地区にある「Azahi」(おそらく「中華あさひ」というラーメン店のことかと思われます)は、日本に無数にある小さなレストランの典型的な例ですが、依然として現金のみの支払いの時代から抜け出せていません。

このラーメン店の5代目オーナーである植木隆一さんは、クレジットカードの手数料を気にしたくないし、Apple Pay や LINE Pay などのデジタル決済プラットフォームについて心配したくないと述べています。
※実際、植木隆一さんは4代目、息子の隆正さんが5代目となる予定。
本文は、タイメディアの原文ママにご紹介しています。

植木氏は最近のアルジャジーラのインタビューで、「現金を持っていないのでクレジットカードで支払うように求める顧客もいる。そのような際、コンビニに行ってATMから現金を引き出すように言っている」と語ります。

そして、すぐにデジタル決済方法に切り替えるつもりはないとし、「現金は便利なので、キャッシュレス決済は必須ではない。決済システムを変えるとしたら、奇妙に思われるだろう。考えたこともない」と付け加えています。

彼の家族経営のビジネスは何世代にもわたって同じやり方で運営されており、この伝統的なビジネスモデルに満足しているという現実は、日本人にとってごく一般的な話しです。

日本の役所の「時代遅れ」はさらに顕著

日本の政府サービスは、デジタルの遅れをさらに証明しています。
多くはオンラインでアクセスできず、代わりに国民は紙の申請書を使用するか、役所を訪問する必要があります。

しかし、おそらく日本のアナログ中毒の最も顕著な象徴は「ファックス」でしょう。
こうした前時代の名残が今でもオフィスに蔓延しています。

日本では未だに契約書や公文書に署名ではなく印鑑が使われているため、FAXが必要となっています。
ハンコを押して紙の記録として保存できるファックスは、電子メールやデジタル署名よりも依然として人気があります。

この国のオンライン移行を担当するデジタル庁は、国内の1,900の政府機関の間でCDやフロッピーディスクなどの時代遅れのデータ保存方法の使用が今後も続くだろうと嘆いている。

このゆがんだデータシステムは、新型コロナ禍の最中に、山口県阿武町の職員が給付金の振り込みのために地元の銀行に県民のデータが入ったフロッピーディスクを持ち込んだことでも話題になりました。
職員のミスにより、ある住民の銀行口座に4,630万円(約1,150万米ドル)の給付金が振り込まれた、いわゆる「誤送金事件」です。
※この事件により、政府官庁や銀行などでは未だにフロッピーディスクによるデータの受け渡しが行われ、常態化していたと日本でも話題になりました。

国際経営開発研究所の世界デジタル競争力ランキングでは、日本は現在、地域のライバルであるシンガポール、韓国、香港、台湾、中国よりも後方の、63カ国中29位と低迷しています。

IT大手富士通の政策経済学者マーティン・シュルツ氏は、「日本が伝統的な決済システムに依存しているのは、アナログ技術で世界クラスの効率性を達成することに成功した結果でもある」と述べています。

日本政府顧問のシュルツ氏は、「事業運営に関して言えば、彼らは家族経営の企業が何世代にもわたって行ってきたのと同じ方法で事業を行っている。このような方法で事業を運営するのは典型的な日本人のスタイルだ」と付け加えます。

日本政府は、数兆ドル相当のイノベーションを促進し、1990年代のGDP水準から依然として遅れている経済を活性化する取り組みを脅かすデジタル・ラグに対処する必要性を長年認識していました。

経済産業大臣は2019年の報告書で、企業がデジタルシステムに適応できていないために日本はデジタル危機に直面していると警告もしています。

当時の菅義偉首相は、国全体でデジタル変革を加速させると約束しました。
(何もできていませんが)

高齢化が進み人手不足が進む地域のデジタルインフラ整備に5兆7000億円規模の予算を投じる政策が打ち出されました。

シュルツ氏は、多くの国がコロナ危機を利用してデジタルでビジネスを行うための新たな道を模索してきたが、日本はデジタル時代の基礎を築き始めたばかりだと述べています。

多少ディティールに誤りはありますが、大枠で間違ってはいません。
さらに言うならば、デジタル時代の基礎を築き始めたばかりで、そこで足踏みしているばかりでもあります。

それでいいのかニッポン!

 

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