数々のタイの闇を暴いて来た元風俗王のチュウィット氏、癌のため余命わずか。それは正に命を賭けた戦いでした。

まだこの国では、権力者にたてつくと、口封じのために亡き者にされるようなケースが多々あると言われています。
そのような中、果敢に悪事を白日の下に晒し続ける勇敢な「漢」がいます。

その「漢」の名こそ、チュウィット・カモンウィシット。

元政治家でもあり、かつては有名なマッサージパーラーのオーナーでもあったチュウィット氏、現在は節目節目で現れては、警察や政治家など権力者による数々の闇を、違法行為を暴露してきました。

何故、命すら奪われかねない危険な行為を、彼はし続けるのでしょうか。
それはその名の通り、彼の命を賭けた闘いがそこにはあったからでした。

政治活動家のチュウィット氏は、ステージ3の肝臓がんであることを発表しました。
他の人が見て見ぬふりをするような、社会の闇について暴露することに残りの人生を捧げるつもりだと強く語りました。

最近では、8月3日木曜日に不動産開発会社サンシリの元最高経営責任者で、現在はタイ貢献党の首相候補であるセター氏の脱税について暴露しています。

その後チュウィット氏は、有名ニュースキャスターのソラユット氏が司会を務める番組で自身の健康状態を明らかにしました。
「私はステージ3の肝臓がんを患っており、最終段階であるステージ4にほぼ進行しているため、おそらく余命は長くないだろう」と彼ははっきりとした口調で述べています。

それは、がんが他の臓器や体の部分に転移していることを意味すると彼は言います。
多くの人が治療に専念するために休暇を取ったほうが良いと助言してきますが、彼は自分の選択に満足していると語ります。

「私は情熱を持ってこの仕事に取り組んでいます。私が学んだことを人々に伝え、一部の人があえて言わない真実、人々が知らない真実を明らかにすることが私の喜びです」

「命の循環ってそんなものです。生まれたら病気になって死んでいく。自分の命が尽きる前に、何かを残したい。」
 
 
元政治家であるチュウィット氏は、人生の最後に内部告発者として名を馳せました。
 
昨年11月には、中国企業と政治家や警察に対する汚職関係を明らかにしました。

先月は、8月10日に帰国宣言をした国外逃亡中のタクシン元首相の帰国延期をほのめかしました。
同氏の娘で貢献党指導者でもあるぺトンターン女史が怒りと共に彼の発言を否定するも、関係者によると延期の可能性が現在は高いと言われています。
 
利権につられ、選挙で第一党となった前進党を切り捨て、首相の座に座ろうとした貢献党のセター氏に対しては、5億2100万バーツ級の脱税について暴露しています。
 
彼ほどの人間が、このタイで今後出現してきますでしょうか。
前半生は非常に豪快な生き方をした方ですが、彼のような漢こそ、今のタイに最も必要な人物なのかもしれません。
 

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