タイ国内旅行者数2億人突破の見込み。されど観光庁の収益目標には届かず。その理由とは?

11月5日、タイ国政府観光庁(TAT)は、今年の最初の9か月間で国内旅行者数が1億4802万人(前年比8.98%増)に達したと発表しました。
この観光客数により、観光関連ビジネスに約7,025億2,000万バーツの収益をもたらし、前年同期比で12.63%増加となったと伝えられています。

TATのマーケティング担当ニティー氏によりますと、今年の国内旅行者数は2億人を超え、2億3,000万人に達する可能性もあると述べています。
年末の休暇シーズンやロイクラトン、年末年始のイベントなどにより、2億人の節目は確実に達成される見込みとのことです。

しかし、国内観光の消費額がTATの目標である1兆バーツには届かない見通しだと同氏は述べています。
現在の消費トレンドからすると、年間で9,500億〜9,700億バーツ程度になるとニティー氏は予測しています。
今年は物価高と経済停滞の影響で、1人あたりの旅行平均支出は約3,000バーツとなっており、支出が慎重になっていると説明しています。

TATは1兆バーツの目標に届かない理由として、以下の7つの要因を挙げています。

①生活費の高騰と家計の負債により、宿泊から日帰り旅行に切り替える人が増え、出費を抑える傾向が強まっている。

②エネルギー価格の変動が、自家用車で移動する国内観光客の意欲を削いでいる。この層は国内観光客の約80%を占めています。

③タイの多くの人が異なる気候や文化、食を楽しむために海外旅行を選択する人が増加。

④国内の航空券や宿泊施設の価格が上昇し、海外と同水準にまで達しており、その結果、海外旅行が選ばれることが増えている。

⑤中国など特定の国が、タイ人観光客を惹きつけるためにビザ無料や割引を提供している。

⑥航空会社が新たな海外路線を増設し、競争力のある価格で提供している。

⑦洪水や大気汚染の増加により、タイ国内の旅行を控えたり、海外に出かけたりする人が増えている。

国内観光の人気上位10県と観光収入(1〜9月期)

  1. バンコク:2,250万人(1,278億バーツ)
  2. チョンブリー:1,100万人(740億バーツ)
  3. カンチャナブリー:1,090万人(249億バーツ)
  4. プラチュワップキリカーン:810万人(319億バーツ)
  5. ペッチャブリー:810万人(247億バーツ)
  6. アユタヤー:660万人(141億バーツ)
  7. ナコンラチャシーマー:600万人(114億バーツ)
  8. チェンマイ:550万人(470億バーツ)
  9. スパンブリー:490万人(79億バーツ)
  10. サムットソンクラーム:480万人(52億バーツ)

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