【コスモ】SAF・バイオナフサなど脱炭素分野を中心としたバンチャック社との共同検討に関する覚書を締結。

コスモエネルギーホールディングス株式会社(代表取締役社長:桐山 浩)、コスモ石油株式会社(代表取締役社長:鈴木 康公、以下「当社グループ」)とBangchak Corporation Public Company Limited(本社:タイ王国バンコク市、以下「バンチャック社」)の3社は、3月23日に、持続可能な航空燃料(SAF)、およびバイオナフサ等の脱炭素分野を中心とした共同検討に関する覚書を締結しましたので、お知らせいたします。

【共同検討を行う領域】
(1)バンチャック社が生産するSAF、バイオナフサ(※1)、およびバイオエタノールの3製品の当社グループへの輸入活用
(2)低炭素水素の活用・輸送(※2)
(3)CCUS (CO2の回収・貯留・有効利用)(※3)
(4)潤滑油関連基材

バンチャック社は、石油精製・販売、再生可能エネルギー(電力)、バイオマス燃料製造・販売、天然資源開発の各事業を行うタイ王国を拠点とする大手総合エネルギー企業のひとつで、当社グループは製油所部門を中心に長年に渡る技術交流を通じて良好な関係を構築してまいりました。当社グループとバンチャック社は、各社が培った技術や強みを活かし、将来の脱炭素事業の可能性について共同で検討していくことを目的として、今回の覚書締結に至りました。

当社グループは、「2050年カーボンネットゼロ宣言」の実現に向けて、低炭素エネルギーに関する事業ポートフォリオの拡充を図っております。SAF事業においては、2030年の供給目標として年間30万kLを目指しており、その手段として、バンチャック社生産品のSAF輸入の検討を行い、自社生産を含めた調達ソースの多角化を図ることが重要であると認識しています。バンチャック社は、2024年末ごろ商業開始予定のSAF製造事業を計画しており、そのSAFの輸入を検討するものです。また、そのSAF製造事業計画の副産品であるバイオナフサは、石油由来のナフサに代わるプラスチック等の低炭素な原料として注目されており、その輸入活用を検討してまいります。加えて、当社グループが計画するAlcohol to Jet技術を活用したバイオエタノール原料のSAF事業について、バンチャック社が生産するバイオエタノール輸入の可能性も検討してまいります。いずれの事業検討においても、同じアジア圏に位置するタイ王国は、物流コストが抑えられる利点があります。
低炭素水素事業においては、グリーン水素およびブルー水素等、生産過程の炭素排出量を最小限に抑えた水素の活用や輸送技術・方法に関して共同で検討してまいります。

当社グループは、加速する脱炭素化に向けてグローバルな連携を図りつつ多面的に検討を進め、カーボンネットゼロの実現を一層推進してまいります。

バンチャック社(Bangchak Corporation Public Company Limited)について
1984年に創設、現在タイ証券取引場に上場する総合エネルギー企業。バンコク市内に製油所を保有、同国内に1,343か所(2021年時点)のサービスステーションを展開しています。関連会社を通じて、再生エネルギー(太陽光、風力、水力発電)事業、バイオマス燃料(バイオエタノール、バイオディーゼル)事業、また天然資源開発も手掛けています。
ウェブサイト: https://www.bangchak.co.th/en/home

※1 バイオナフサ、またはバイオマスナフサは、再生可能なバイオマス(植物など生物由来の有機性資源)から生成され、プラスチックなどの原料として使用される石油由来のナフサに代わる原料として注目されています。バイオマス由来原料は、生育過程で大気中のCO2を吸収するため、最終的に燃やしてもCO2収支としては、石油由来のナフサと比べてGHG(温室効果ガス)排出を抑制することが可能と言われています。

※2 低炭素水素とは生産過程のCO2排出量を最小限に抑えた水素であり、一般的にはグリーン水素 (再生可能エネルギーで水を電気分解して作る水素) やブルー水素 (化石燃料を原料とする製造方法に、CO2の回収・貯留を組み合わせたもの) の総称です。一方、現在最も多く流通する水素は、化石燃料を原料とし、製造時に発生するCO2を回収しておらず、グレー水素と呼ばれています。

※3 CCUS (Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage) とは「CO2の回収・貯留・有効利用」を意味する一方で、CCS (Carbon Capture and Storage) は、CO2を分離・回収し、地中にあるCO2を通さない地層に貯留する技術を意味します。その貯めたCO2を必要に応じて取り出し、有効利用するサイクルも加えたものが「CCUS」です。バンチャック社共同で、将来的なCCUS技術の活用について検討を行います。

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