タイのホテル業界に異変!廃業42%増、半数以上が赤字経営!観光客回復の遅れと競争激化が直撃!

タイのホテル・宿泊業界で廃業が急増している。カシコン銀行傘下の調査機関、カシコン・リサーチセンター(KResearch)によると、2026年1~9月に廃業を届け出たホテル・宿泊事業者は148社に上り、前年同期比42%増加した。2025年には事業者全体の約51%が赤字を計上しており、観光需要の回復の遅れや宿泊施設間の競争激化が経営を圧迫している。

特に深刻なのが中小規模の宿泊施設だ。
小規模事業者の約54%が2025年に赤字を計上し、42%は2023年から3年連続で赤字となった。
宿泊事業者全体でも38%が3年連続の赤字を記録している。

一方、2026年のタイのホテル・宿泊市場規模は約1兆1,000億バーツと、前年比2.6%の成長が見込まれている。
しかし、市場全体の拡大が個々のホテルの収益改善には結びついていない。

2026年1~9月の全国平均客室稼働率は前年同期からわずか0.18%の上昇にとどまり、19県では稼働率が低下した。
また、同期間の新規事業登録件数は779件で、前年同期比31.2%減少した。

背景には、外国人観光客の回復の遅れがある。
カシコン・リサーチセンターは、2026年の訪タイ外国人旅行者数を約3,140万人と予測。
前年比4%減となり、新型コロナウイルス流行前の2019年と比較しても約79%の水準にとどまる見通しだ。

中国、日本、韓国など主要市場からの旅行者数がコロナ前の水準に戻っていないことに加え、他国の観光地との競争や安全面への懸念、世界的な景気減速なども影響している。

さらに、宿泊需要の回復が鈍い一方で、ホテルの客室数は増加を続けている。

2026年上半期時点のタイ国内の宿泊施設の客室数は約87万6,000室となり、2019年比で11.7%増加した。
バンコク、プーケット、チェンマイなど主要観光地では新たな宿泊施設の開業が続き、供給過剰への懸念が強まっている。

Airbnbなどの民泊施設との競争も激化している。
2026年10月時点で、バンコク、プーケット、チョンブリー、チェンマイ、スラータニーの5地域には約5万件の短期賃貸物件が存在し、従来のホテルから宿泊需要を奪う要因となっている。

こうした状況を受け、宿泊料金の値下げ競争も広がっている。
カシコン・リサーチセンターは、2026年のホテル平均客室単価が前年比約0.8%下落すると予測している。

2027年についても厳しい状況が続く見通しだ。
外国人観光客数は3,100万~3,300万人、全国平均客室稼働率は69.58~71.69%と予測されているものの、電気代や食材費、輸送費、オンライン旅行予約サイトへの手数料などの上昇が収益を圧迫する可能性がある。

特に、固定費の負担が大きく、資金繰りに余裕のないホテルでは、さらなる廃業や事業売却につながる恐れがあるという。

カシコン・リサーチセンターは、ホテル事業者に対し、価格競争だけに頼らず、国内旅行者の取り込みや長期滞在プランの充実、カフェや会議施設など宿泊以外の収入源の確保を進めるよう提言している。

タイの観光産業は依然として重要な経済の柱だが、ホテル業界では観光客の回復以上のペースで客室供給が増加している。
市場全体が成長する一方、経営難に陥る事業者が増えるという厳しい現実が浮き彫りになっている。

観光客数が以前と同じ水準まで戻ったとしても、明かな供給過剰状態は変わらないので、古くてサービスの悪いホテルから消えていくでしょう。

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