ミャンマー、イラン産航空燃料を「南アフリカ産ディーゼル」と偽装輸入! SCBの関与は?

悪は悪同士…。

ミャンマー軍事政権が、米国の制裁を回避するため、イラン産の航空燃料を「南アフリカ産ディーゼル燃料」と偽って輸入していた疑いが浮上した。
ロイター通信が10月26日、船舶の航行記録や衛星画像、取引契約書などを基にした調査結果を報じた。

問題の取引には、ミャンマーのエネルギー仲介業者「Dynamic Wave」と、タイの燃料商社「Tawan-Oil Trading」が関与していた。

2025年12月の取引では、両社が総額1,580万米ドルの契約を締結。
書類上は南アフリカ産ディーゼル燃料の輸入とされていたが、実際にはタンカー「Reef」がイランのバンダルアッバース港から航空燃料をミャンマーへ輸送していたとみられる。

さらに、ミャンマーの外国為替当局が2025年11月30日付で発行した書簡には、輸入書類に航空燃料ではなくディーゼル燃料と記載することを認める内容が含まれていた。
ロイターは、軍事当局が燃料の偽装輸入に関与していたことを示す重要な証拠としている。

注目されるのは、燃料代金の支払先にタイのサイアム商業銀行(Siam Commercial Bank)の口座が指定されていた点だ。

契約書によると、Tawan-Oil Tradingが保有するSCB口座に代金を振り込むことになっていた。
ただし、ロイターはSCBが取引の実態を認識していたかどうかについては確認できなかったとしている。

同様の取引は2025年5月にも行われていたとみられる。この際、Dynamic WaveはTawan-Oil Tradingから20万2,000バレルの燃料を購入する契約を締結し、代金2,600万米ドルをSCB口座に支払うことが定められていた。

契約書には南アフリカ産ディーゼルと記載されていたが、請求書に記された燃料の密度や価格は航空燃料の特徴と一致していた。
実際にタンカー「Noble」が同年6月17日、約20万バレルの航空燃料を積んでヤンゴンに寄港したことも確認されている。

国連の専門家は2024年の報告書で、Tawan-Oil Tradingをミャンマー軍への航空燃料供給業者として名指しし、SCBについても軍の調達活動を支える主要な金融機関の一つと指摘していた。

これに対しSCBは当時、マネーロンダリング防止法を遵守しており、ミャンマー関連の取引は合法的で、武器取引とは無関係だと説明していた。

今回のロイターの取材に対して、SCB、Tawan-Oil Trading、タイ中央銀行はいずれも回答していない。

米国は2023年、ミャンマー軍による民間人への空爆を理由に、同国の航空燃料産業を対象とする制裁を導入した。
しかし、制裁後もイランからの航空燃料供給は続いているとみられる。

ロイターによると、2024年10月から2025年12月にかけて、イランはミャンマー軍への主要な航空燃料供給国となっており、2026年に入ってからも輸送が継続しているという。

今回の調査は、国際的な制裁下でも航空燃料がミャンマーへ流入し続けている実態と、その取引にタイ企業やタイの金融機関の口座が利用されていたことを浮き彫りにした結果となった。

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