タイでも忍び寄る「孤独死」。日本では年間76000件。「他人に迷惑をかけない」精神が拍車。

タイでは、発展途上国でありながら、超少子高齢化社会へと突入しようとしており、様々なリスクが懸念されている。
将来的に一人暮らしの高齢者が、約180万人に達していると言われている。

我が日本では、高齢化と社会的孤立の深刻化に伴い、2025年に自宅で一人きりで亡くなる「孤独死」が76,941件に達し、社会問題として拡大している。

日本の孤独死は警察が扱う死亡案件の約3分の1を占めるまでに増加していると言われている。
特に65歳以上の高齢者が多く、全体の76.6%にあたる58,919人が該当している。

多くのケースでは死後1~3日以内に発見されるが、問題視されているのは長期間発見されないケースだ。
約3割にあたる22,222人は死後8日以上経ってから発見され、「孤立死」と呼ばれている。
さらに7,148人は1か月以上発見されず、中には1年以上放置された例もあるという。

また、男性は女性に比べて約3.8倍、長期間発見されないまま死亡する傾向があり、社会的つながりの弱さが背景にあると指摘されている。

近年では、孤独死は高齢者だけでなく若年層にも広がりつつある。
東京の調査では、2018年から2020年の間に10~39歳の742人が一人で死亡しており、その4割以上が発見まで4日以上を要した。
多くは自殺と関連しているとみられる。

専門家は、20~40代に見られる「セルフネグレクト(自己放棄)」の増加を懸念している。
これは健康管理や生活環境の維持を放棄する状態で「緩やかな自殺」とも呼ばれ、社会的孤立をさらに深める要因となる。

背景には、日本特有の「他人に迷惑をかけない」という価値観や、経済的な不安定さがあるとされる。
特に1990年代以降の長期不況により雇用が不安定化し、家族形成や社会的つながりの維持が難しくなったことが影響している。

また、家賃や公共料金の自動引き落としなどにより、死亡後も異変が発覚しにくいシステムも問題を深刻化させている。

この現象は不動産市場にも影響を与えており、死亡事故があった物件は「事故物件」として扱われ、賃料が20~50%下がるケースもある。
一方で、遺体の処理や清掃を行う専門業者の需要が増えるなど、新たな産業も生まれている。

同様の傾向は韓国でも見られ、中年男性を中心に孤立死が増加している。

 

 

タイでも急速な高齢化が進んでおり、今後10年で60歳以上が人口の28%を超える「超高齢社会」に突入すると予測されている。
2024年の調査では、一人暮らしの高齢者は180万人に達し、30年前の約4倍に増加した。
特に都市部では地域コミュニティの弱体化により、孤独死のリスクが高まっている。

研究者は対策として、労働力不足を補う移民政策の検討や、高齢者の見守りを強化するデジタルシステムの導入を提案している。
電気や水道の使用状況を監視し、異常があれば通知する仕組みなど、技術によって孤立を補う取り組みが期待されている。

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