バンコク首都圏のコンド市場に深刻な在庫問題。売れ残り35万戸、解消まで最長6年との見通し。
- 2026/6/13
- 不動産情報

タイの不動産市場で、コンドミニアムの供給過剰が深刻化しているという。
不動産コンサルティング大手ナイトフランク・タイランドは、バンコク首都圏に約35万戸の未販売在庫が存在し、現在の販売ペースでは解消まで5〜6年を要するとの見通しを示した。
2026年第1四半期に新たに供給されたコンドミニアムは6,174戸だったが、都心部(CBD)では新規プロジェクトの供給がゼロとなった。
新規物件の約6割が都心周辺部、残りが郊外エリアで展開されており、開発業者は高コストな都心開発から、より幅広い購買層を狙った地域へと戦略を転換している。
価格帯にも変化が見られ、新規供給物件の約7割が1平方メートル当たり8万バーツ未満に設定された。
高級路線から実需重視の大衆向け市場へシフトする動きが鮮明となっている。
一方で販売状況は厳しく、新規物件の予約率は前四半期の43.8%から24.3%へ急落。
100戸販売しても約24戸しか予約が入らない状況となったという。
背景には、景気回復の遅れにより消費者が購入判断を慎重にしていることがあるとみられる。

政府による住宅ローン規制の緩和や不動産移転費用の軽減策により、所有権移転件数は前年同期比12.7%増加したものの、市場全体の在庫問題解消には至っていない。
大量在庫を抱える中、市場の主導権は売り手から買い手へ移行。価格交渉や割引、特典などの競争が激化しており、多くの開発業者は新規開発よりも資金繰りの安定を優先する姿勢を強めている。
ナイトフランクは「今後は投資・投機主導の市場から、実際の居住需要に支えられる市場へ移行していく」と分析。
「重要なのは新たな物件を建設することではなく、既存の35万戸以上の在庫をいかに販売するかだ」と指摘している。






































