タイ、「電車運賃20バーツ均一」その裏に潜むリスクとは? 補填財源の渋滞税も棚上げか?!

本誌が訴えてきたことが、元バンコク副都知事も同様に警告しています。

7月6日、元バンコク副都知事のサマート氏(民主党元副党首)は、自身のFacebookページで「電車20バーツ均一政策」についての懸念を表明しました。

「電車20バーツ均一」…その裏に潜むリスクとは?

2025年9月30日から、全ての都市鉄道で運賃が一律最大20バーツになるというタイ政府の政策は、多くの市民にとって朗報でした。

しかしサマート氏は、この政策が民間事業者(鉄道運営のコンセッションを受けた企業)の収益を減少させ、その補填を政府が負担する必要が出てくることを指摘しています。

懸念点1:補償の基準が不透明

現時点で、どのように・いくら補償するかが明確になっておらず、過剰に補償すれば「単なるポピュリズム」や「財閥優遇」との批判を招きかねません。

懸念点2:財源は? 持続可能性は?

財源としては、バンコク地下鉄(ブルーライン)の収益の一部が使われる可能性がありますが、それも数年程度しか維持できず、長期的には破綻する恐れがあります。

懸念点3:買い戻し計画と交通渋滞税

さらに、民間からの鉄道事業の買い戻し構想や、交通渋滞の激しいビジネスエリアにおける「渋滞課金制度(Congestion Pricing)」導入案も浮上していますが、発案依頼なしのつぶてで実現の目処は立っていません。

サマート氏の4つの問い

・民間業者への補償金額はどのように決定されるのか?
・誰がその妥当性を監視・検証するのか?
・補償の財源はどこか? 政策は何年間持続可能なのか?
・民間からの事業買い戻し案はまだ生きているのか? 財源は? 渋滞課金は再検討されているのか?

サマート氏は「運賃の値下げ自体には賛成」としつつも、「この政策が次の総選挙への政治的アピールで終わるのではないか」と危惧しています。

持続可能で、公共の利益にかなった政策となるよう、今後の議論と情報公開が求められます。

結局は、選挙までのしのぎで、当初のみ取り繕うために国の借金で賄うような気がしてなりません。
タイ貢献党政権はばら撒き政策ばかりが先行していますので、なりふり構わない選挙対策で、気が付いたら国庫破綻などという羽目になりかねません。

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