アヌティン公衆衛生大臣、謎の「恩赦法案」草案中。誰のための法なのか?

タイの地元メディアによりますと、タイ政府は恩赦法案を検討しており、医療関係者と関連するCovid-19当局者らが何らかの犯罪を犯した場合、刑事告発を受けないよう法的保護を与えるという内容となっています。
これは、タイ政府が新型コロナ対策を強めた場合に、医療従事者などが不足しないようにするためだと説明しています。

アヌティン公衆衛生大臣が8月9日に提案された法案は、医療サービススタッフ、医師、およびCovid-19の状況に取り組む関係者に、さまざまな責任や刑事責任を心配することなく法的保護の下、新型コロナとの闘いに専念させると発表しました。 

しかし、彼自身や首相のようなトップレベルの役人もこの法案によって恩赦を与えられるのかどうかは、アヌティン氏によって明らかにされませんでした。
アヌティンによれば、この法律の草案は準備中であり、関連部門にまだ提案されていませんとのことでした。

「この提案された法案は、診断、医療、ワクチン調達などに関する懸念を緩和するために、Covid-19関連当局者の間でも信頼を築くでしょう。タイ政府は、この困難な時期に医療関係者が医療に専念できる環境を望んでいます。 これは最終的にはタイの人々と患者にも利益をもたらすでしょう。」と語っています。

しかしアヌティン氏は、これがどのように患者に利益をもたらすかを具体的に明らかにしませんでした。

野党は本日の発表について、この草案は主に、首相や公衆衛生大臣自身などの政府高官を含む可能性があり、予防接種政策の失敗による刑事訴追からの高官を免責にすることが目的であると非難したと言います。

犯罪を犯した医者がいて、それが今現在どの程度いるのでしょうか。
1000人も2000人も医療従事者の中に犯罪者が潜んでいて、逮捕間近ということであれば影響もでるのかもしれませんが、一人二人でたところで国レベルで大きく影響はでないでしょう。
とても現在の医療従事者の中に、数千人規模の犯罪者がいるとは思えません。
となると、誰のための恩赦法案なのか全くその有効性の深い意味がわかりません。
むしろ、野党の言うことの方がしっくりくるような気さえします。

どのような理由があれ、犯罪者は裁判所で法の裁きを受ける必要があります。
それが法治国家の根幹であり、上層部がそのように遵法精神を自ら曲げるようでは、国民に法を守れと言っても無駄でしかありません。
「法を軽んじる」精神は、タイの深いところにまで根をはっているようです。

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