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【Asian Film Joint 2022】今年は「都市開発と映画」をはじめ、アジアの新旧映画を14本上映。
- 2022/9/1
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10月21日(金)〜29日(土)福岡市総合図書館 映像ホール・シネラにて。10月15日(土)から同会場にて関連企画の上映も。
第2回目となる今回は「場に宿るもの」をテーマとして、福岡市フィルムアーカイヴと併設する映像ホール・シネラ(福岡市総合図書館)をメイン会場に2つの取組みを実施します。
▶︎10/21〜29はメインとなる特集上映『Asian Film Joint 2022|場に宿るもの』を実施。7本の日本初上映+2本の九州初上映を含む計8プログラム・14本のアジア映画を紹介。
▶︎10/15〜20には関連企画として、福岡市フィルムアーカイヴに収蔵されている数百本のアジア映画から、Asian Film Joint 2022に参加する飯岡幸子・草野なつかとともに推薦作品を選定・上映する特別企画も実施。
『Asian Film Joint 2022|場に宿るもの』
会期:2022年10月21日(金)ー29日(土)
会場:福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ(福岡市早良区百道浜3-7-1)
観覧料:1,000円(1回券)、4,500円(フリーパス券)
主催: Asian Film Joint 2022実行委員会(三声舎・LOVE FM)
協力:福岡市総合図書館、クリエイティブ福岡推進協議会
はじめに|Asian Film Joint2022 について(文:Asian Film Joint主宰 三好剛平)
▶︎ https://asianfilmjoint.com/2022/files/AFJ22.pdf
- プログラム①〈風景〉に宿るもの|飯岡幸子
福岡出身の撮影監督・飯岡幸子の小特集。飯岡は昨年、国際的にも高い評価を集めた『偶然と想像』(濱口竜介監督)や『春原さんのうた』(杉田協士監督)で撮影を務めた。目の前の〈風景〉を迎え入れ、場の記憶や残響を映画に映し込む彼女の眼差しを、初期作と最新作の2本を通じて体感する。
10/23(日)15:00(上映終了後トーク実施予定)、10/26(水)18:30
『ヒノサト』Hinosato
(2002|日本|43分)監督:飯岡幸子
画家であった祖父が町中に残した絵を辿り、日の里の地を巡り歩く。静かに映し出される町の風景。絵。挿入される祖父の日記。アトリエに光が射し込む時、流れる三つの時間がにわかに接近する。飯岡幸子が映画美学校在籍時に、自身の故郷である福岡県宗像市日の里で制作した作品。
『春原さんのうた』Haruhara-san’s Recorder
(2021|日本|120分)監督:杉田協士
東直子の歌集「春原さんのリコーダー」の表題歌をもとに、喪失感を抱えた女性がささやかな暮らしを続ける姿を映し出す。第32回マルセイユ国際映画祭グランプリ・俳優賞・観客賞。撮影は飯岡幸子。
- プログラム② 王国(あるいはその家について)|草野なつか
映画を通じて自分たちの〈場〉を考える今年のAsian Film Jointのなかで、本作はその最小の単位をめぐる映画のようにも見ることが出来る。私とあなたの2人だけで育んだ小さな〈王国〉と、その領土を踏み越えてくる〈その家〉での出来事について。
10/22(土)18:00(上映終了後トーク実施予定)、10/28(金)15:00
《九州初上映》『王国(あるいはその家について)』Domains
(2018|日本|150分)監督:草野なつか
休職中の亜希は、幼なじみの野土香とその夫でサークルの先輩でもある直人の夫婦が構えた新居を訪れる。温度と湿度が適正に保たれたその部屋で、亜希は野土香の変化を感じ取る。
- プログラム③ 都市開発と映画|タイ
いま、大型の都市開発の只中にある福岡から、自分たちの〈都市〉や〈居場所〉、大切な〈風景〉や〈コミュニティ〉に宿っていたものとは何だったかを考える。プログラム③と④では「都市開発と映画」をテーマに、タイとシンガポールの作品を特集する。
10/21(金)18:30、10/27(木)15:00
《日本初公開》『ココナッツの見える部屋から』 A Room with a Coconut View
(2018|タイ|29分)監督:トゥンラポップ・セーンジャルーン
今では多くの観光客を集めるタイ東部のバンセーン・ビーチ。その背景に絡み合う地方政治の腐敗やタイ映画との関わりを明らかにしながら、土地と“イメージ”の関係を探るエッセイ・フィルム。
《日本初公開》『スカラ座』Scala
(2022|タイ|65分)監督:アナンチャ・ティタナット
バンコクで50年以上営業を続けた老舗の映画館・スカラ座が、2020年に取り壊されるまでを記録する。閉館していく劇場のようすに、作家自身が劇場で過ごした幼少期の記憶と「映画」の一時代の終わり、そしてタイ社会の趨勢が重なる。
- プログラム④ 都市開発と映画|シンガポール
10/22(土) 15:00 、10/28(金) 18:30
《日本初公開》『セントーサ、地球最後の日』 A Man Trembles
(2021|シンガポール|23分)監督:マーク・チュア、ラム・リーシュエン
1998年アジア金融危機の只中に、男とその家族は“最後の日”を過ごすためセントーサ島を訪れる。近年の開発で土地の記憶が忘失されゆく島を舞台に、不確実な時代を覆う不安と恐怖をとらえる。
《日本初公開》『{鳥のうた}緑のかげ』
{if your bait can sing the wild one will come} Like Shadows Through Leaves
(2021|シンガポール・フィンランド|28分)監督:ルーシー・デイヴィス
1960年代に旧マレー鉄道の国有地に建てられた公営住宅タングリン・ホルト。再開発のため取り壊しが決まっているこの地区の風景と音を通じて、変わりゆく土地と、そこに息づいていた者たちの残響をたどる。
《九州初上映》『チョンバル・ソシアル・クラブ』Tiong Bahru Social Club
(2020|シンガポール|88分)監督:タン・ビーティアム
人間の幸福度を数値で測り“世界一幸せなコミュニティ”を創り出すプロジェクトの職員となったアビー。住民たちとの交流を通して、人生の不条理と幸福の在り処を見つけていく。(字幕協力:大阪アジアン映画祭)
- プログラム⑤ 関係しなおし | グエン・チン・ティ
Asian Film Jointは映画に限らず、自分たちの街に宿る様々な文化資産との連携、活用を目指す。今年は福岡アジア美術館のコレクションに収蔵されている映像作品から1本を選定し、同作家の最新映像作品とともに併映する。プログラムのタイトルは上映する両作品に加え、こうした活用に向けたAsian Film Jointとしてのテーマでもある。
10/23(日) 11:00、10/27(木) 18:30
「風景シリーズ #1」 Landscape Series #1
(2013-14|ベトナム|5分)監督:グエン・チン・ティ
人々が何かを指差すスライド写真は、作者がベトナムの社会問題を扱ったネット記事から採取したもの。淡々と映写されていく写真に、名もなき市民たちの無言の訴えが宿る。福岡アジア美術館所蔵作品。
《日本初公開》「世界認識の方法」 How to Improve the World
(2021|ベトナム|47分)監督:グエン・チン・ティ
視覚と聴覚、私たちはどちらを頼りに世界を認識しているか。ある先住民の生活様式が失われていく様子を映しながら、“目”の文化に偏った私たちが、見えないものに“耳”を澄ますための方法を探る。
- プログラム⑥ ポスト・アジアフォーカス2022|神保慶政
2021年、アジアフォーカス・福岡国際映画祭の終了を機に始動したAsian Film Jointでは、今後も映画祭が育んだ土壌から生まれ出る作品や活動に光を当てる。今年は同映画祭が実施してきたアジア映画の商談会=ネオシネマップ福岡での出会いをきっかけに制作された神保慶政監督らによるイラン・シンガポール・日本合作『オン・ザ・ゼロ・ライン 赤道の上で』のプレミア上映を行う。
10/22(土)11:00(上映終了後トーク実施予定)、10/26(水)15:00
《日本初公開》『オン・ザ・ゼロ・ライン 赤道の上で』On the Zero Line
(2022|イラン・シンガポール・日本|76分)監督:神保慶政、メールダッド・ガファルザデー
言葉を無くした詩人と、子どもを流産で失った女性。交わるはずのない2人が赤道上で出会う。イランと日本で2人の監督が互いにストーリーを知らせぬまま共同制作を進めた実験的手法の作品。
「憧れ」 Here and Here
(2017|韓国|19分)監督:神保慶政
釜山でライターとして働く妊娠7ヶ月のミナは、現地の人々の「最初の記憶」をテーマにした記事の取材に奔走する。カメラが見つめる風景に様々な想いが宿る。監督が韓国・釜山を舞台にオール韓国語、韓国人スタッフ&キャストで完成させた。
- プログラム⑦ フィルムアーカイヴ
プログラム⑦⑧では、福岡の貴重な文化資産であり映画の現場である〈フィルムアーカイヴ〉に注目する。映画が急速にデジタル化や配信視聴へ移行していく今、改めて〈フィルムアーカイヴ〉で重ねられている営みとその想いに触れる機会としたい。10/29には「世界視聴覚遺産の日」を記念したイベントも。
10/21(金)15:00 、10/29(土)15:00(上映終了後トーク実施予定)
《日本初上映》『アーカイブ・タイム』 Archiving Time
(2019|台湾|63分)監督:ルー・ユエンチー
新台北市「国家電影中心※」のフィルムアーカイブで、日々フィルムの保存や修復に勤しむ職員たちの姿を追う。フィルムに記録された遠い過去を未来へ引き継ぐ彼らの活動と理念が映される。※劇中当時
- プログラム⑧ フィルムアーカイヴ | 特別上映
10/29(土) 18:00
『空山霊雨〈デジタル修復版〉』 Raining in the Mountain
(1979|台湾・香港|121分)監督:キン・フー
「アーカイブ・タイム」作中で修復されていた本作のデジタル修復版を特別上映。仏教寺院の跡継ぎをめぐる権力闘争と秘伝の巻物の争奪戦を交えた、巨匠キン・フー監督の代表作。(提供:竹書房/Blu-ray・DVD発売中)
世界視聴覚遺産の日 特別イベント ユネスコが制定する「世界視聴覚遺産の日(10/27)」を記念して、同週土曜日にはフィルムアーカイヴがテーマの作品上映&トーク、施設の見学ツアーを実施します。 日時: 2022年10月29日(土) 11:00〜 福岡市フィルムアーカイヴ 施設見学ツアー (限定先着30名/要申込み※) 15:00〜 『アーカイブ・タイム』上映 *上映終了後、《國家電影及視聽文化中心》とのオンライントーク(予定) 18:00〜『空山霊雨〈デジタル修復版〉』上映
※11:00〜の施設見学ツアーにご参加希望の方は、お名前・お電話番号・メールアドレス・参加人数をご記載のうえ以下までお申し込みください。予定人数に到達次第、受付は終了します。 |
【関連プログラム】
アジア・シネマ・アンソロジー × Asian Film Joint 2022
会期:2022年10月15日(土)ー20日(木)
会場:福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ(福岡市早良区百道浜3-7-1)
観覧料: 600円(大人)/500円(大学生・高校生)/400円(中学生・小学生)
アジアフォーカス・福岡国際映画祭の上映作品を中心にアジア映画の名作を上映してきた総合図書館企画「アジア・シネマ・アンソロジー(10/10〜20)」に、Asian Film Jointが合流した特別企画を実施。Asian Film Joint2022に参加する飯岡幸子(撮影監督)と草野なつか(監督)とともに、アーカイブに収蔵された数百本のアジア作品から推薦作品を選定・上映する。充実した収蔵作品群を新たな視点から再発見し、次なる活用へ繋がっていく契機となることを目指す。来場者には会場限定で各者書き下ろしの推薦コメントを配布予定。
- AsianFilmJoint 2022 セレクト
10/15(土) 11:00、10/19(水) 11:00
『昨夜、あなたが微笑んでいた』 Last Night I Saw You Smiling
監督:ニアン・カヴィッチ (2019年|カンボジア・フランス|81分)
カンボジアの首都・プノンペン。1963年に建設された公営集合住宅・ホワイトビルディングは長らく老朽化が問題とされるなか、日本企業による買収を機に取り壊しが決定する。ビルに暮らす約500世帯の住人たちは退去を余儀なくされ、建物は刻々と取り壊されていく。この場所で生まれ育った監督は、建物の最期の日々を捉えるべくカメラを回す。アジアフォーカス2020年上映作。
- 飯岡幸子 セレクト
10/16(日)11:00 、10/20(木)14:00
「スケッチ・オブ・Peking」 On the Beat
監督:ニン・イン(1995年|中国|100分)
北京市の分署に務めるベテラン警官クオの日常を描く。犬に噛まれた酔っぱらいの処理や、路上で博打をする男の逮捕など、警察官の日々の仕事がさりげなくもきめ細やかに描かれる。全ての登場人物に素人俳優を起用し、急速に変貌しつつあった当時の北京の空気感を淡々とした筆致とアイロニーを織り交ぜながら映し出す。アジアフォーカス1996年上映作。
- 草野なつか セレクト
10/16(日)14:00 、10/20(木)11:00
「青いマンゴー」Raw Mango
監督:アモール・パーレーカル(1999|インド|97分)
主人公の少女は両親を亡くし、叔母の家に預けられる。ターニー叔母さんは美しく優しい女性だったが、粗暴な夫は彼女に暴力を振るうだけでなく愛人を囲っていた。やがて少女は学校に通い始め、家族や友人との交流を経ながら成長していく。少女の視点から大人たちの社会を描き、幼年期の思い出を美しく詩情豊かに映したインド映画の傑作。アジアフォーカス2000年上映作。
- 福岡市フィルムアーカイヴ について
福岡市フィルムアーカイヴは1996年、映画フィルム等の映像資料の収集・保存、調査・研究、公開等を行う施設として、福岡市総合図書館内に設置。現在では3,000タイトル以上のフィルムが収蔵されており、日本に2つしかない国際フィルムアーカイヴ連盟(FIAF)加盟施設として活動を続けている。
収蔵作品はアジア映画や日本映画、福岡の郷土映像資料などを中心としており、なかでもアジア映画は映画祭の上映作品からの収蔵を続けてきたことで、質・量ともに充実。ここにしかフィルムが残存していない作品もある。近年、厳しい予算状況のなかでも、映画祭を機にアーカイヴを訪れ信頼関係を結んだアジアの映画人たちと地道な交流を続け、各国から貴重なフィルム群の寄贈を集めるなどして活動を重ねている。
※会期中に開催予定の「Asian Film Joint2022」フォーラムやトークイベントについては今後発表予定
- Asian Film Joint について
Asian Film Jointは、映画を通じて福岡とアジアとの関わりを継続・発展させていくことを目的として、2021年春に発足したプロジェクト。アジアフォーカス・福岡国際映画祭が築いた映画資産や福岡の文化資産を積極的に活用し、アジア映画の上映やフォーラム等を実施する。
( joint【名詞】①接合するもの、継ぎ手 ②人の集まる場所 ③ (俗語で) 作品 【形容詞】共同の、連帯の )
Asian Film Joint 2022
主催: Asian Film Joint 2022実行委員会(三声舎・LOVE FM)
協力:福岡市総合図書館、クリエイティブ福岡推進協議会 / アジアンパーティ登録事業
【Twitter】 https://twitter.com/asianfilmjoint2/
【ホームページ】 http://asianfilmjoint.com/
【Youtube】https://www.youtube.com/channel/UC5fGsrPq1KFVEPCzQ96cWOw
※ホームページ・Youtubeは近日、2022年度版に更新予定
【お問い合わせ】 info@asianfilmjoint.com