【タイ】〇〇の時の音は、ほどほどに…

2020年6月29日。
日本の不動産会社へのクレームは第一位はどのような理由が原因かご存じだろうか。
答えは「騒音問題、隣人問題」だ。
騒音問題と言っても、部屋の中で爆音をかけて音楽を聴いているなどは論外で、大概はテレビの音量がうるさいとか(一般的な音量でも)階段を上る足音がうるさいとか、夜中にグラスを落として割った音とか、正直かなり些細な音でも気になってしまう方には気になってしまい、それがクレームへと発展する。

隣との距離が近すぎるためか、ストレス社会が生んだ産物なのかは定かではないが、実際そのような状況だ。
日本の住宅は、タイのそれと比べると格段に気密性が高く、タイの部屋よりも格段に防音性に優れている。それにもかかわらずだ。

タイは正直どこに行ってもうるさい。新型コロナ禍の昨今は別として、通常時だとレストランで生バンドを入れ音楽を流すので、同席者と全く会話ができない。車やバイクにも大音量のスピーカーを積み、全く聞きたくもない歌を強制的に聞かされたりする。何もない田舎に行けば静かかと思えば、大誤算だ。田舎こそうるさくて夜も朝も寝ていられない(だから男どもはみな昼寝しているのかと思うくらいだ)一家に数台、「これ野外フェスで使うやつ」ってほどのスピーカーを持っていて、節目節目でこれまた家が吹っ飛ぶんじゃないというくらいの大音量で音楽を流す。金土日はどこかで結婚式か葬式をやっているから、その間、夜通し大音量をかける風習のようでこれまた寝ることができない。

とまあ、こんな国なので音でクレームや苦情がくることはほとんどない(むしろしてはいけない)。
はずだった…。

ただ昨今は少し事情が違ってきているようだ。
都市部には外国人が溢れ、高層コンドミニアムに代表されるような狭い間取りで大所帯の集団生活を強いられる。おまけに日本と比べて壁が薄い。そしてこれは構造上の問題なのだが、タイの特にコンドミニアムのような集合住宅の場合、玄関ドアの下に隙間があり、郵便物やお知らせの紙などをいれられる作りとなっている。おまけにほとんどが木材の玄関だ。これは音漏れがして当たり前だ。

ある者は朝晩つくお寺の鐘がうるさいといい、ある者はルーフトップバーの生演奏の音がうるさいと言い、ある者はBTSの音がうるさくて寝れないというクレームが出るようになってきた。これは経済発展による急速な都市化が原因なのだろうか。日本のようにストレスを抱えながら仕事をしている人が多くなったせいだろうか。おおらかなタイ人たちもやがて日本人のようにすぐに怒り出し、クレームを言うような性格になっていくのだろうか。心配は尽きない。

そのような折、ネット上にこのような投稿がなされた。
「隣人の夜の営みがうるさくて寝れない」と。
この投降者は何度も注意したようだが、一向に気遣うようなそぶりはみせずその営みは続いた。仕方なく、ついにはドアに張り紙をし部屋のオーナーにも窮状を伝えたという。

たまには燃えるように愛を確かめる日も必要かもしれませんが、その音、近隣に丸聞こえですから、ほどほどにお願いしますね。

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