タイ、1月の自動車輸出、33か月ぶりの最低水準。国内販売も低迷。政府はソフトよりハードを重視せよ!

自動車業界の没落は、タイ経済に暗い影を落とします。

タイ工業連盟(FTI)自動車業界グループのスラポン氏は、2025年1月の自動車生産台数が107,103台となり、前年同月比24.63%減少したと発表しました。
国内販売向け生産は31.78%減、輸出向け生産は21.10%減と大きく落ち込んでいます。

◆生産・販売・輸出の状況

・輸出向け生産: 75,044台(生産全体の70.07%)、前年同月比21.10%減
・国内販売向け生産: 32,059台(生産全体の29.93%)、前年同月比31.78%減
・国内販売台数: 48,092台、前年同月比12.26%減

国内販売減少の要因として、家計負債の高さによる金融機関の厳格な融資基準、経済成長率の低迷(2.5%)、労働者の収入減少が挙げられています。

スラポン氏は、ピックアップトラック購入のローン保証期間を4か月から2か月に短縮し、産業の生産・雇用を促進するよう政府に要請しています。
この対策により、投資環境の改善が期待されるだろうと述べています。

◆輸出の深刻な落ち込み

・完成車輸出台数: 62,321台、前年同月比28.13%減(33か月ぶりの低水準)
・輸出額(完成車・部品・二輪車含む): 680億6,918万バーツ、前年同月比20.63%減

減少の要因として、米国の貿易戦争による輸入関税の影響、中国製EVの競争激化、一部車種のモデルチェンジ、年末年始の操業停止による生産減が挙げられています。
特に、オーストラリア、中東、欧州、中南米向けの輸出が減少しました。

◆電気自動車(EV)の動向

・累計登録台数(BEV): 242,076台(前年同期比63.85%増)
・新規登録台数(BEV): 14,711台(前年同期比7.73%減)

EV市場は成長を続けているものの、新規登録は減少傾向にあり、競争激化が影響していると言われています。

EV市場は、中国メーカーへの不信(ダンピングや高額な修理費用など)や、実際の使い勝手の悪さなど(インフラが整っていない)も影響しているものと本誌では見ています。

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