タイのウェルネス・スパ産業、6,700億バーツ市場に成長。世界ウェルネス観光で存在感。

観光スポーツ省の最新データによると、2025年のタイにはウェルネス関連事業が約9万社あり、総収入は6,700億バーツに達しているといいます。

このうち、病院・クリニック・スパなどの直接サービス業が2,200億バーツ、小売・交通・観光関連などの間接ビジネスが4,500億バーツを占めています。

2026年に成長が期待される分野は、①ホテル・リゾート、②飲食業、③医療、④航空旅客輸送、⑤化粧品製造など。

人気サービスはオイルマッサージ、タイ式マッサージ、デトックス、ヨガ、スパパッケージなどで、総合的なウェルネス体験への関心が高まっています。

市場動向と課題

タイ・スパ協会は、「業界は毎年成長しているが、今年はマイナス報道の影響で一時減速した」と述べます。

しかし2025年第4四半期から2026年第1四半期にかけて観光回復が見込まれ、再び拡大すると主張しています。

コロナ後、タイのウェルネス観光市場は120%以上成長。

訪問者の多くは外国人で、「健康目的で訪れる一次旅行者」と「レジャー中にウェルネスを体験する二次旅行者」に分かれる。

両者の支出差は約3万バーツで、二次旅行者の比率が増加傾向にあると言います。

業界構造と新たな動き

収益面では病院が最大で、次いで薬局、化粧品製造、旅行代理店、スパの順。

ラグジュアリーホテルでは、スパを「総合ウェルネス施設」に転換する動きが拡大しており、BDMSとSri Panwaの協業がその代表例です。

外国人客の主な市場は、マレーシア、中国、シンガポール。

タイのスパ料金は1時間200〜300バーツと手頃だが、業界の持続性には国内市場の育成が欠かせない。

現在、タイ人顧客の割合は20%にとどまっています。

成長分野と展望

新たなトレンドとして「リハビリ観光」が注目されており、医療・ホスピタリティ・長期ケアを組み合わせたプログラムの可能性が高い。

一方、「ウェルネス不動産」投資では、ドバイやシンガポールに遅れをとっています。

それでも、タイのウェルネス産業は今後1〜2年でコロナ前の水準に回復する見通しです。

競合国インドネシアやフィリピンに対抗するには、医療技術・伝統薬草・創造的イノベーションを活かし、政府支援とテクノロジー投資を進める必要があります。

最後に同協会は、「食と健康を融合させた“ウェルネス食文化”の確立」が、リピーターを呼び込む鍵になると強調しています。

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