タイSNSで話題後、列車内での行商取締まり厳格化を通知。問題の人物「なぜうちだけ?みんなやってる」

タイ人がなぜ法律を軽視するのか?
それは、法律が平等に機能していないからです。
ある者は、違反をしても罰せられず、ある者は罰せられる。
しかも、法を犯しても罰せられない可能性も高いのです。

タイ南線列車での出来事が話題となっています。
タイ国鉄から、車内での行商に関する取り締まりを厳格化する通知が出されたのです。

SNSにアップされた動画には、171/172列車でお粥を売る母親が映っており、それが話題となり、鉄道局は車掌に対して「該当する行商や他の行商が車内にいないか常に確認するように」と指示したのです。
発見した場合は規則に従って厳格に対応し、上司が不備を発見した場合は規定に基づき処罰される、としています。

これに対し、当該の母親は「Thai Railway Southern Line」のグループに次のように投稿した。

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皆さん、こんにちは。このグループのメンバーの皆さん、そしてタイ国鉄の皆さん、ご迷惑をおかけしてすみません。
時には投稿によって皆さんに迷惑をかけてしまったこともあるかと思います。
こうしてグループに投稿すること自体、私にとって不利益になるかもしれず、何か訴えられるかも分かりません。
でもどうしていいか分からず、困っています。

私は何かを要求しているわけではありません。
ただ、なぜこの通知でうちの家族だけが対象にされているのか不思議に思ったのです。
通知の件名にも「鶏粥販売の母親」と書かれています。
通知はタイ国鉄からのものですので、内容はすべて受け入れますが、少しだけ理解していただけたらと思います。
他の人を批判するつもりはありません。
ただ、皆さんもご存知の通り、列車と行商は昔から密接な関係があります。

私は列車で物を販売し、お客様にサービスを提供したいと思っています。
時には車掌さんを手助けすることもあります。
例えば、「次の駅はどこですか?」と聞かれたときなどです。

ここでお伝えしておきます。列車内での販売は禁止されていることは承知しています。
私たちは合法的に販売したいと思っており、路上販売のような行商をしたいわけではありません。
ただ、時には一部の人に迷惑をかけることもあり、本当に申し訳なく思っています。
私たちの家族は、販売している列車に売店がなく、ハラール食品を提供したいと考えたのです。
ムスリムの方々にも食べ物を届けたいと思っていました。

列車で食べ物を用意してこない人もいます。
良い面から考えてみてください。
バンコクからゴーラックまで約1,000kmの旅で、誰も水や食べ物を持ってこなかった場合、販売してくれる母親がいなければ水も飲めずに家にたどり着くまで待つ必要があるでしょう。

すべての行商者は乗客にサービスを提供しています。
良い面も悪い面もあります。
私はただ、なぜ私の家族だけが対象になったのか知りたいのです。
投稿したのは、皆さんの意見を聞きたかったからです。
もし行商者がいなかったらどうでしょうか?
私は正しく販売する母親でありたいのです。

こちらはイメージ画像です。記事内容とは無関係です。

 

SNSで話題になったから対処する、タイの法律がその程度のものなので、この国には、悪いとわかっていても「法律」を守ろうする者がいません。
標的とされれば、「なんで私だけ?」という不公平感のみが残り、自分が悪いことをしたことに関しての認識が全くなく、むしろ正当性を訴え来るなど、逆ギレを起こしてきます。

法律が現実に追い付かないのなら、法律を変えればよいのです。
タイも近年、知識階級を始めとして、法律をきちんと守ろうという意識は高まっています。
ただ政権与党はそのような国民の温度差をくみ取ることがいつまでもできず、法治国家ではなく「放置国家」からの脱却が出来ずにいます。

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