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選挙直前の逮捕劇! タイ国民党候補者の不祥事が2026年政局に暗雲。グレー政党台頭か?
- 2025/12/30
- 事件(タイローカル)

2026年もタイの政局は混迷を極めるのか?!
タイの国民党のバンコク選挙区33区候補だったブンヤリット・ラオルンロート氏(บุญยฤทธิ์ ราวรุ่งโรจน์)が、麻薬ネットワークに関連した資金洗浄(マネーロンダリング)容疑で逮捕され、選挙直前に候補者を差し替える事態となった。
2月8日の総選挙を目前に控え、党の候補者審査体制に対する批判と疑問が広がっている。
警察は12月27日深夜、ブンヤリット氏を自宅で拘束。
4つの運送会社を通じて活動していた麻薬組織と関係する資金洗浄に関与した疑いが持たれている。
この突然の逮捕は、バンコクにおける国民党支持者に大きな衝撃を与えた。

党首のナタポン氏(ณัฐพงศ์ เรืองปัญญาวุฒิ)をはじめ、首相候補で候補者選定の責任者であるピチャーン氏(พิชาญ เชาวพัฒนวงศ์)、反「グレー資本」で知られるランシマン氏(รังสิมันต์ โรม)ら党幹部は、国民に向けて謝罪し、「不可抗力だった」と説明した。
党側は、指紋による犯罪歴確認や信用情報機関による調査、市民が通報できるオンライン制度など、従来より厳格な審査を実施していたと強調している。
一方で、ブンヤリット氏に対する党の審査は12月17日以前に完了しており、その後同日付で警察が逮捕状を発付、10日後に召喚状なしで身柄を拘束したことから、党幹部も「想定外の展開だった」としている。
事件が公になった時点では、すでに全33選挙区の候補者名簿が提出されていた。
事態を受け、国民党は12月29日に緊急予備選を実施し、前進党時代にバンコク選出で2期務めた元下院議員、タオピポップ氏(เท่าพิภพ ลิ้มจิตรกร)を新たに33区へ擁立することを決定した。
ただし、同区は同氏の地盤ではなく、タイ貢献党、ブムジャイタイ党、民主党との三つ巴の激戦が予想されている。
今回の事件は、2018年のアナコットマイ政党(新未来政党)結成以来繰り返し指摘されてきた、オレンジ陣営の候補者選定の脆弱性を再び浮き彫りにした。
私生活スキャンダル、政治事件、当選後の離党や寝返り、過去の犯罪関係などが過去にも問題化してきた。
特に影響が大きいのはバンコクで、2023年選挙では前進党が33議席中32議席を獲得する圧勝を収めている。
国民党は2026年選挙での「全33議席制覇」を目標としていたが、今回の不祥事により計画は揺らいでいる。「オレンジに投票し、グレーを打ち破れ」というスローガンとの矛盾もあり、若者層や都市中間層を中心に不安が広がっている。
専門家は、首都での信頼低下が全国的な支持にも波及する可能性を指摘しており、残り約1か月、人民党がこの危機をどう乗り切るかが注目されている。
タイで仕事している人ならほぼ全ての人が感じているかと思いますが、「信用できるタイ人」を探すのは本当に至難の業です。
ちょっとした利権や金銭で寝返りや裏切りなど、罪悪感など一ミリを感じずに実行してきます。
ましてや、警察もようやく立件したような刑事事件を、捜査権のない一政党が全ての身体検査を行うことができるわけがありません。
ただ、選挙という大切な時期に今回のような不祥事は痛いのは間違いない。
これでまたグレー政党が台頭してくるようなら、タイはいよいよオワコンスパイラルから抜け出せなくなるだろう。






































