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タイ個人貯蓄口座(TISA)制度はプラスなのか? 高齢社会に向けた新たな貯蓄策へ評価は?
- 2025/12/11
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タイ国家経済社会開発評議会(NESDC)によると、タイは2024年に高齢社会となり、人口の約20%にあたる1,400万人が60歳以上となった。
2033年には高齢者人口が28%に達し、タイは「超高齢社会」に移行すると予測されている。
12月8日の経済閣議で「タイ個人貯蓄口座(TISA)」制度を承認した。
これにより最大80万バーツの税控除が可能となり、2026年7月1日に施行される予定である。
制度は、長期的な貯蓄・投資を奨励するとともに、今後数年間にわたり国内資本市場の流動性を支えることを目的としている。
暫定ガイドラインによると、年間所得150万バーツ未満の納税者は、投資額の最大1.3倍まで税控除の対象となり、150万バーツ超の所得者は控除上限が0.7倍に設定される見込みだ。
Kasikorn Securities(KS)は、TISAについて「中立的」な見方を示している。
税優遇の最終内容や、今後追加情報が予定されている Thai ESG Fund など他の長期投資商品との関係を注視すべきだと助言している。
TISA の条件が明確になれば、高配当株、特に SETHD 指数(高配当30銘柄で構成)の銘柄が恩恵を受ける可能性があるという。
UOB Kay Hian Securities Thailand も、TISA が構造的には長期でプラスだが、短期的な投資魅力は「強くない」と評価した。
80万バーツの控除上限は、従来の退職基金(50万バーツ)と Thai ESG Fund(30万バーツ)の合計上限と変わらないためだ。
さらに、TISA で許容される海外資産の割合など投資条件が不透明であることも指摘。
海外比率が高すぎると、タイ株への資金流入を弱め、国内流動性の向上効果が限定されてしまう可能性があるという。
また、150万バーツ超の所得者への控除率が0.7倍と控えめであることから、高所得者の参加意欲が低くなる懸念もある。
こうした投資意欲の弱さは、最近のタイ株指数の低迷にも反映されていると述べている。







































