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プリンス銀行で大規模取付騒動発生! 米英が親会社プリンスグループとCEO陳志氏を制裁・起訴。
- 2025/10/19
- 事件(タイローカル)

カンボジアの大手商業銀行のひとつである「プリンス銀行」(Prince Bank)が、米国と英国による親会社プリンス・グループ(Prince Group)への制裁発表を受けて、大規模な預金引き出しに直面しています。
プノンペンの本店前には早朝から長蛇の列ができ、多くの顧客が預金を引き出そう(取付騒動)と殺到していました。
最終的には、複数の支店で流動性不足により、一時的に取引を停止する事態となりました。
この大規模な預金引き出しは、10月14日に米司法省、米財務省、そして英国政府が共同で発表した制裁措置を受けて発生したものです。
制裁対象にはプリンス・グループとCEOの陳志(Chen Zhi)氏が含まれています。
米司法省は、チェン氏に対し詐欺およびマネーロンダリング(資金洗浄)の罪で起訴し、彼とグループが不正に保有していたとされる12万7,271ビットコインを押収しました。
これは同省史上最大規模の資産没収案件とされています。
チェン氏は有罪判決を受ければ、最長40年の懲役刑に処される可能性があります。
一方、英国政府もプノンペン郊外の「プリンス・コンパウンド」を運営するゴールデン・フォーチュン・リゾート・ワールド社を制裁対象に追加。
さらに、プリンス・グループ傘下のホテル・カジノを運営するジンベイ・グループ、および暗号通貨取引所Byex Exchangeも禁止リストに加えました。
加えて、英国当局はチェン氏のロンドンの不動産資産を凍結し、同国の金融システムへのアクセスを禁止しています。
プリンス・グループはカンボジアの不動産・金融・観光業界で強い影響力を持っていますが、近年、国際的な詐欺・人身売買・違法オンライン詐欺拠点の運営など、深刻な人権侵害の疑いが相次いで指摘されていました。
こうした親会社に関する衝撃的な報道が広がる中で、プリンス銀行への信頼は急落。
不安を抱いた預金者が一斉に現金を引き出しに走り、金融不安が拡大しています。
プリンス銀行は声明で、「米国財務省外国資産管理局(OFAC)の措置は当行の業務能力に影響しません。
誠実かつ透明な経営を継続します」と発表しましたが、市場の不安は収まらず、金融システムへの波及懸念が広がり続けています。