進歩運動代表であり国民党の精神的支柱でもあるタナトーン氏は８月30日、タイ貢献党と国民党による連立政権樹立を裏で画策するタクシン・チナワットとの会談報道について言及しました。

タナトーン氏は、この日タクシン氏と会談した際、タクシン氏からタイ貢献党の首相候補チャイカセム氏を国民党が支持するよう要請されたことを明らかにしました。
これに対し、タナトーン氏は国民党が首相候補を支持するには明確な条件があると説明します。

その条件は次の通りです。

①議会を４か月以内に解散すること。
②その期間内に憲法改正の国民投票を実施すること。

「もしタイ貢献党がこの条件を受け入れるのであれば、私と話す必要はありません。直接国民党と話せばよいのです。私は、国民党の党首がすでに『タイ貢献党から正式な接触はない』と明言していると理解しています」とタナトーン氏は述べます。

さらに同氏は、国民党の条件は権力を得たり政権を担ったりするためのものではないと強調しました。

「党首は明確にしています――我々は野党の立場を維持します。我々が望むのは国を前進させることです。なぜなら現議会には正統性も安定性もなく、麻薬問題や投資家信頼の回復、政治的課題など喫緊の課題に取り組む正統性を持つ勢力は存在しません。いま最も望ましい道は、議会を解散し国民に権力を返すことです」

「したがって、国民党の２つの単純な条件は、現状の危機を解決するために真に必要なものです。新しい議会が誕生すれば、国を前進させるための国民からの委任を受けることになり、私はこの条件を支持します」とタナトーン氏は主張しています。

４か月という期限が短すぎるのではないかとの質問に対して、タナトーン氏は「国民党は、４か月の間に憲法改正国民投票を実施するだけの政治的意思を結集できると計算していると考えます」と答えています。

また同氏は、プームジャイタイ党・国民党・タイ貢献党のいずれも単独で政権を樹立できないと分析しています。

「我々は国民に真実を伝える必要があります。この状況において最も合理的なアプローチは、決定を国民に委ねることです。これは最も賢明な選択であると説明し、そのうえでどの党がこの変革を実行できるかを国民に判断してもらうべきです」

覚書（MOU）が後に反故にされる可能性について問われると、タナトーン氏は笑みを浮かべながら次のように答えます。

「それは国民が決めることです。もし国民党の条件を受け入れた政党が約束を守らなければ、国民が判断すればよいのです」

問題はタイ国民の全てに、毅然とした意思があるかという部分です。
簡単に「金」でなびいてしまうようでは、タイに未来はありません。
ただ、これまでは国民は全く不在の中、政治が行われてきました。
ここまで旧態依然とした社会に風穴を開けられただけでも、一つ前進したと言えるでしょう。
ようやくです。