タイ、2025年世界平和指数で86位に後退。ASEAN内でも６位に沈む。ギリ、カンボジアの上。

2025年版「世界平和指数（Global Peace Index, GPI）」が発表され、タイは前年より５つ順位を下げ、世界163カ国中86位となったことが明らかになりました。
これはASEAN加盟国の中でも６位という順位であり、地域内での平和水準にも格差が広がっていることが浮き彫りとなりました。

この報告書は、経済・平和研究所（IEP）が毎年発表しているもので、世界人口の99.7％を網羅する163カ国・地域を対象としています。

■ 世界の平和状況は6年連続で悪化

GPIは単に「戦争がない状態」だけでなく、社会の安全保障、軍事化の度合い、国内外の紛争の有無など23の指標で評価されます。特に近年は持続可能な社会の構築に対する指標としても重視されており、教育、自然資源の管理、生活の安定性なども評価対象に含まれています。

GPIではスコアが低いほど平和的であり、高いほど紛争・不安定・軍事的緊張が強いとされます。

■ タイの順位とスコア

■ ASEAN各国の世界平和指数（2025年）

順位（世界）	国名	スコア	備考
6位	シンガポール	1.357	ASEANで最も平和
13位	マレーシア	1.469	1ランク下降
38位（同率）	ベトナム	1.721	1ランク上昇
47位	ラオス	1.783	3ランク下降
49位	インドネシア	1.786	3ランク上昇
86位	タイ	2.017	5ランク下降
87位（同率）	カンボジア	2.019	12ランク下降
105位	フィリピン	2.148	6ランク上昇
153位	ミャンマー	3.045	2ランク下降

■ 世界で最も平和な国・最も平和でない国（2025年）

最も平和な国トップ３

最も平和でない国ワースト3

■ 地域別の傾向

GPIの結果は、平和だけでなく持続可能な開発や社会安定の指標としても活用されており、今回の順位後退はタイの内政不安や経済圧力、治安懸念などが影響した可能性があります。