タイ不動産「中国人バイヤー離れ」で戦略転換。落ち目の新築市場、中古市場に活路を見出す。

7月4日、サイアミーズ・アセット社(Siamese Asset Public Co., Ltd.)のCEOカジョーンシット氏は、同社が不動産販売事業を新築中心から中古住宅市場へ事業展開していることを明らかにしました。

サイアミーズは、バンコク首都圏の銀行から取得したNPL(不良債権)やNPA(売却予定資産)の住宅をリノベーションし、中古住宅として販売する子会社「Siamese and Wealth Asset Management Co., Ltd.(SWAM)」を立ち上げ、すでに2〜3年の実績があります。
現在の保有資産は約1億バーツ、そのうち半分以上がすでに販売済みとなっています。

■ 中古住宅市場への本格展開

2025年は、中古住宅への注力を加速すると同社は宣言します。

「新築市場は回復に数年かかると見られるため、中古住宅は立地も良く価格も手頃で、収益性が高い」と判断し、事業を強化すると述べています。

■ BAMとの業務提携

同社は最近、バンコク・コマーシャル・アセット・マネジメント社(BAM)と業務提携(MOU)を締結。
BAMから住宅用資産を取得し、債務再編や再販を行うことでBAMのNPA在庫処分と自社収益の両立を図る戦略を打ち立てています。

■ 外国人需要の低迷と対応策

カジョーンシット氏は、現在の不動産市場について以下のように分析しています。

・国内購買力の低迷、外国人バイヤーの減少(特に中国人)
・コンドミニアムの新規販売70%減
・バンコクでの新規開発を抑制し、プーケット市場へ注力(ロシア人が主な顧客)
・ホテル・アパート物件の売却による資金繰りの改善と債務削減を実施中

現在、複数の国内外投資家と売却交渉を進行中とのことです。

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