今、工場で何が起こっているのか? 続々報じられるタイ工場閉鎖ニュース。有名縫製工場閉鎖で443名が解雇に。

年末にまたしても悲しいニュースが報じられました。

サムットサコーン県オムノイ地区にある輸出向け縫製工場が、工場閉鎖を発表し、従業員443人の解雇を通知しました。

それらを知った従業員たちは肩を寄せ合い、涙を流しながら別れを惜しむ姿が見られました。

ニュースを報じたFacebookページには、従業員たちの写真とともに「皆さん、頑張ってください。サムットサコーン支社が廃業。有名縫製会社が事業継続できず、支社閉鎖と全従業員の解雇を発表。皆さんにエールを送ります」とのメッセージが投稿されていました。

雇用主は労働福祉保護局に対し、コロナ禍の影響が続き、顧客からの注文がなくなり、事業の維持が困難になったと説明しています。
すべての従業員、タイ人・ミャンマー人を問わず、法に基づく補償金として総額約4150万バーツを支払うと伝えられています。

具体的にどこの工場か調べてみましたが、現時点では判別できませんでした。
オムノイ周辺に住んでいたことがあり周辺の縫製工場をいくつか知っていますが、会社のロゴなども伏せられており、ちょっとわかりませんでした。

ちなみに、この年末を前にした工場閉鎖ラッシュですが、一説には現政権のタイ貢献党が選挙公約してかかげた「最低賃金の強引な引き上げ」にあると言われています。
先日タイ労働大臣ピパット氏が、年明けにも最低賃金400バーツの引き上げを発表し、これは「政府からのお年玉だ」と豪語していました。
何の根拠もなく、ただただ法律で最低賃金をあげれば、ギリギリで経営をしていた工場は経営そのものがおぼつかなくなります。
特にまだまだオートメーション化されていない縫製工場(ガーメンツ)などは、人海戦術に頼らざるを得ないので、これまでも人件費と利益のわずかな差でギリギリの経営を余儀なくされていました。
それをいきなり、何の事業計画も補助金もなくあげられたのでは、首をくくるしかないというものです。

タイ貢献党政府があげたものは「お年玉」ではなく、「毒饅頭」だったというわけです。

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