鉄鋼業界にも中国企業による実効支配の影。タイ工業連盟、政府に規制措置を陳情。

懸念を表明している時点で、かなり事態は深刻になっているものと思われます。

タイ工業連盟は、中国企業によるタイの鉄鋼産業の潜在的支配に懸念を表明し、規制措置を求めています。

8月12日、タイの鉄鋼産業は、国内に鉄鋼工場を設立する中国企業によって支配される危険にさらされていると、タイ工業連盟(FTI)が警告を発しました。

同連盟のクリンクライ会長は、タイの鉄鋼産業の稼働率は過去7年間で最低にまで落ち込んでおり、今年上半期の稼働率は29.3%で、前年同期の31.2%からさらに低下していることを明らかにしました。

同氏は、タイの需要1,600万トンと比較して、生産能力が年間1,242万トンに増加すると見込まれている中国投資の影響について言及してます。

特に、ラヨーンのバンカイ地区にある「Xin Ke Yuan Steel」社は、線材、鋼板、塗装鋼、鋼管、構造用鋼を含む生産能力を1,209万トンに増強する計画を立てていると伝えられています。

同様に、チョンブリーのノンヤイ地区にある「Yongjin Metal Technology」社は、年間32万2,000トンの生産能力を持つステンレス鋼工場を計画していており、プロジェクトのほとんどが投資委員会の承認をすでに得ていると同氏は伝えています。

クリンクライ氏は、これらの投資は自国の汚染を削減し、他国が課す貿易障壁を乗り越えるという中国政府の政策に沿ったものであると指摘しています。

「しかし、これらの製鉄工場が建設されれば、国内製造業者に影響が及ぶだろう」と同氏は警告し、タイの鉄鋼産業の稼働率はさらに低下する可能性があると述べています。

クリンクライ氏は、タイの製造業者が国の需要を満たすのに十分な生産能力を持っていると確信しており、工業省はタイにおける鉄鋼工場の設立を規制する規制を導入すべきだと主張しています。

同氏はまた、タイの工業規格を満たしていない構造用鋼の輸入について、消費者に安全上のリスクをもたらす可能性があると懸念を表明した。
同氏は、この問題に対処するために、より厳格な工業規格の導入を求めています。

「特に中国からの構造用鋼の輸入が増加している」
「2023年、タイは210億バーツ相当の構造用鋼42万6,340トンを輸入し、そのうち92%が中国から輸入されている。」と同氏は指摘しています。

タイ工業規格協会(TISI)のワンチャイ事務局長もこうした懸念に同調し、タイの工業規格を満たしていない製品の量が増加している可能性が高いと警告しています。

同氏は政府機関に対し、これらの問題を厳密に調査するよう要請し、タイの基準への準拠を確実にするためにより多くの職員と測定ツールの必要性を強調しています。

きちんとした法律や規格があっても、取り締まる側がガバガバなので、やられたい放題になっているのは目に見えています。
大概、現場からこういった声が時点でかなりやばい状態となっていると思われます。
一秒でも早く、中国企業への一切査察を行うべきです。

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