チュラロンコン大教授など、タイ貢献党政権へ批判痛烈!「教育改革」を放置するな!

セタータイ貢献党政権は、就任して1年が経過したにもかかわらず、党の利権追及にまい進するのみで、タイの停滞する教育制度の改善についての政策方針は何一つ打ち出していません。

「政府は、政治の優先順位のなんたるか全く理解していないようだ」と、タイの東大ともいわれるチュラロンコーン大学教育学部のアタポン助教授は憤慨しています。

同氏は、現政権は10年にわたる国の教育の質の低下を無視し、放置していると述べます。

タイの学生の学力低下が問題に。過去10年間で標準以下。科学、数学、読解力で顕著。ベトナム、マレーシアよりも下位。

アタポン氏は、社会経済の発展を反映するために、5年ごとにカリキュラムを全面的に見直すのが標準的な政策です。
全体的な教育の質を高めるためには、こうした改善を教師の改革や組織の見直しと並行して進める必要がある、と述べています。

著名な教育者のソンポン教授は、タイ貢献党政府は政策声明の中で「教育改革」などと派手な言い回しを使っているが、その実態は空虚だと述べています。

ソンポン教授は、タイ貢献党政府が単に時間稼ぎをしているだけで、国の教育問題に端を発する批判を喜んで乗り切ろうとしていると感じずにはいられないと痛烈に批判しています。

また教育の現場を守る教師へも大きな負担がのしかかっています。
「内閣が学校用務員を雇用するために6億バーツの予算を承認しましたが、多くの学校は依然として教師に交代で学校施設の管理役(当直など)を義務付けている」とアタポン氏は述べます。

2024年初めに、当直中の女性教師を外部の男性が襲った事件を受け、教師に学校管理人としての役割を強制することについて激しい議論が巻き起こりました。

むしろ当局は教師に対し、禁煙キャンペーン、麻薬対策への取り組み、子どものメンタルヘルスへの取り組みなど、さまざまな負担を押し付けています。

タイの地方の学校では全学年に先生が1人しかいません。憲法で保証されている教育を受ける権利とは?

また、以前ニュースになった「教育現場に清潔なトイレを」と言う問題も、教育省の二枚舌の典型例だと同氏は説明しています。
ニュースになった瞬間だけ、一部を改修しましたが、全国の学校に清潔なトイレが存在するのかどうかの調査は実施しませんでした。

それどころか、今でも一部の学校では、トイレが教室の建物から遠く離れた場所にあり、子供たちが一人で行くには危険な状態だと同氏は述べています。

同氏は、政治が新たな国民教育法案と新たなカリキュラムへの道を妨げており、この国の教育問題を複雑にしていると主張しています。

本誌では、これらの主張を現政権就任当初から、ことあるごとに主張してきました。
チュラロンコーン大教授が、全く同じ意見であることに、さらに確信を深めました。
現政権がおかしいというのは、好き嫌いの問題でなく、多くのタイ国民が感じていることなのです。
赤シャツ隊(タクシン、貢献党支持派)のような過激派勢力がいないだけで、タイ国民の批判の声は日に日に高まっています。
最近では、あれだけ嫌っていた前政権のプラユット氏の方が良かったという「プラユット回帰論」すら、出てくるほどです。
ただ前進党はあのような形で潰されてしまいましたし、タイ国民に声を発せさせない工夫だけは、どの国よりも突出しています。

「タイ貢献党はうんざり」「プラユットが懐かしい」これが今のタイ・トレンドワードです。

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