タイは「欠陥のある民主主義国」。イメージが悪化。タイの司法制度による「法の公平な執行」が肝要とチュラ大教授。

チュラロンコーン大学のティティナン教授によりますと、タイの民主主義が世界的にイメージが悪化しており、法の公平な執行が必要だという説いています。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が毎年発表する民主主義指数では、タイは2022年の55位から2023年は167国中63位に低下しています。

同大学政治学部のティティナン教授は、過去20年間の抗議活動の弾圧、人々の逮捕と保釈の拒否などをあげ、EIU指数の低下は当然の結果だと驚くべきことではないと語ります。

ティティナン氏は、タイのランキングを改善し、国の民主主義制度を強化するには、法律を公平に施行することで、基本的権利、基本的自由、報道の自由を守るというより大きな意欲を示す必要があると述べた。

外部の者にとって、注目しているのは「タイの司法制度」だと同氏は語ります。

タイはEIU指数で10点中6.35点を獲得し、「欠陥のある民主主義国」に分類されています。
EIUは、「完全な民主主義」の国はスコアが8以上である一方、権威主義体制はスコアが4以下の国に見られると説明しています。

上位5カ国はノルウェー(9.81)、ニュージーランド(9.61)、アイスランド(9.45)、スウェーデン(9.39)、フィンランド(9.30)で、下55カ国はアフガニスタン(0.26)、ミャンマー(0.85)、北朝鮮(1.08)、中央アフリカ共和国(1.18)、シリア(1.43)。

タイは、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)指数が減退しているだけでなく、米国に本拠を置くNGOフリーダム・ハウスが毎年実施する市民的自由と政治的権利の度合いを評価するフリーダム・ハウス報告書でも数値を下げ続けています。

この国は2023年にタイは「自由ではない」と評価され、100点中30点を獲得しています。
合計6ポイントは政治的権利に関するもので、残りの24ポイントは市民的自由に関するものだった。
前者の満点は 40 点、後者の満点は 60 点です。(合計100点)

今回のタクシンの件で「法の公平な執行」の不備が如実となり、司法制度の崩壊の危機に瀕しています。
こういう議論になると、タイにはタイの民主主義のあり方がある!と必ず声を荒げる人がいるのですが、それこそが「欠陥」だと言われていることに、いつか気付くことはあるのでしょうか。
それは「欠陥」を通り越して、民主主義ではなくなっていると言わざるを得なくなるやもしれません。

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