コピー商品が溢れかえるタイにも著作権や商標権があります。でも料理レシピは対象外なので、守りたいなら秘密にすること!

コピー商品が巷に溢れかえるタイにも、一応、著作権や商標権があるようです。

ミシュランを獲得したタイの人気スイーツ店が、その商品の商標登録したことをめぐり、ソーシャルメディア上で大騒動につながったとして話題となっています。

サイアムパラゴン4階にもある「ルッカイトーン・タイ・ロイヤル・レストラン(Lukkaithong Thai Royal Restaurant)が8月28日、タイ語と英語の両方で「パン・チャー」という商品の特許を取得し、著作権を留保したことを公式サイトで発表し、タイのネット民から批判と質問を浴びました。

公式サイトの投稿には、タイ式のお茶に浸したパンにホイップクリームとミントの葉をトッピングした、タイ式かき氷いわゆる「ビンスー」の写真が掲載されていました。

その後、チェンライ県にある「パンチャーチェンライ」のオーナー、ウィーラチャート氏は、商標権侵害で1億200万バーツの損害賠償を求める停止命令書を受け取り、商標権を侵害する行為の停止を求められました。
同店が、タイ語と英語で「パンチャー」という用語を使用することを禁止しているという書簡3部が書留郵便で送付され、最初の1部は 7 月 21 日に送られてきました。

また、ソンクラー県の別の店「タンチャン・プアック – ミルキー・ウェイ」は今年7月8日にお茶と新鮮な牛乳の販売を始めたばかりでしたが、8月27日、このバンコクの人気紅茶・デザートブランドを代理する著名法律事務所が、70万バーツの損害賠償と、対応が遅れた場合には1日あたり1万バーツの追加罰金を要求する警告文を送って来ていました。

多くのネット民らは、なぜ知的財産局がタイの一般的なデザートの特許取得を許可したのか、他のお店で販売することができなくさせたのか!と怒りをぶつけていました。

この抗議を受けて、最終的に同署、ショップ、知的財産法の専門家は、この発表は誤解だとし説明を余儀なくされました。

知的財産法の専門家ピーラパット博士は、「パン・チャー」は商標として登録されている可能性があると考えているが、だからと言って人々が同じデザートを提供できなくなるわけではないと説明します。
しかしながら、同店が販売するペットボトルのお茶に使用されている画像に著作権が登録されており、デザートの盛り付け方も特許になっている可能性があると同氏は考えています。

したがって、他の店でも法的な問題なく、パンとお茶を材料にしたこのタイ式ビンスーを販売することができるとピーラパット氏は語ります。

これを受けて29日「パンチャー・ワールドクラス・タイ・ティー」のフェイスブックページで、店側が誤解を招いたことを謝罪したいと発表しました。

多くのネット民らは、ありふれた言葉やありふれた料理は特許を取得できないと主張します。

1991 年の商標法によれば、文字、数字、絵画、写真、イラスト、色彩、記号が、新規商標登録に使用できます。
語句、文章、スローガン、タイトルなどを商標として登録することも可能です。

ピーラパット氏は、「チャー」という単語だけでは商標登録できないが、店は「パンチャー」を組み合わせて登録したと説明します。
ただし、商標所有者は「パン」と「チャー」は、一般的な単語として使用すること認めなければならないと同氏は指摘しています。

「たとえば、別の売り手は自分のデザートを『パン・ビンス・チャー・タイ・イェン』(パンとアイス・タイ・ティーを添えたビンスー)として取り扱うことができます。」とピーラパット氏は説明します。

 

当局によりますと、同店に登録された特許は以下の内容をカバーしているとのこと。

• 「Pang Cha」という単語に使用される特別なフォント

• 署名形式で書かれた「Pang Cha」という文字

• 店のお茶のボトルに印刷されている女性の画像

• 着物、タイの伝統衣装、インドの伝統的なサリーを着た女性の画像

• 植物を利用してデザインされたタイ文字や数字

• デザートをボウルに盛り付ける方法。

ピーラパット氏は、タイの法律ではレシピの登録は認められていないと説明し、レシピを保護する最善の方法は秘密にしておく事だけだと付け加えています。

「人々がレストランに来て、料理の味を覚えてそれを再現しようとする場合、それは違法ではありません。
レストランがレシピを守りたいなら、秘密にしなければなりません」と同氏は述べます。

同氏は、知的財産局は一般的な単語やフレーズを商標として登録することを認めないと付け加えた。

「例えば『パン・アロイ』(おいしいパン)や『パン・ピン』(トーストしたパン)という言葉は商標として登録することはできません」

かつて2021年、有名なミルクティのお店「ファイアータイガー」(เสือพ่นไฟ)と「ファイアーベアー」(หมีพ่นไฟ)の間で、商標をめぐる法廷闘争がありました。

結果、知的財産裁判所は、タイ語と英語の両方でその名前を商標として登録していた「ファイアータイガー」に有利な判決を下しました。

裁判所は、「ファイアーベアー」がたった1単語(ベアー)を変更して「ファイアータイガー」の商標を模倣したとの判決を下したのです。
また、新しい店舗が古い店舗と同じ種類のタピオカティーを販売しており、2つの店舗が同一人物によって経営されているのではないかという誤解を世間に招いたと非難しています。

この判決では、裁判所は「ファイアーベアー」に対し、名前と画像の使用を差し止めるとともに、旧店舗に1000万バーツの賠償金を支払うよう命じています。

タイでは、料理レシピは法的にも守られないというのは勉強になりましたね。
だから堂々とコピー商品が売られているのかな?(それはまた別の話か

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