感染拡大中のクローントゥーイで、今何が起こっているのか?

新型コロナ第3波の震源地と言われているのが、日本人在タイ者が多く住む首都バンコクです。
今そのバンコクで最も感染が進行しているのが、クローントゥーイと言われる低所得者が多く住むコミュニティ内であり、ここをどれだけうまく制御できるかが今後の大きな鍵となっています。

今、クローントゥーイで何が起こっているのか、改めて紐解くとします。

4月、このコミュニティで300名を超える感染が発見されました。
その後、4月27日から30日にかけてクローントゥーイの住民1,336人を対象に実施された検査では、14人に1人(7.41パーセント)が陽性であることが判明ました。
この調査結果は、さらなる大規模クラスターへの警鐘を鳴らし、COVID-19状況管理センターは今「最も心配」であった場所であることを認めています。

首都で最も低所得者層が住んでいる地域の1つであるクローントゥーイは、41の過密なコミュニティの集合体です。
しばしばスラム街と呼ばれるこのコミュニティには、首都のさまざまなセクターで働く約10万人が住んでいると言われています。

新型コロナの検査で陽性となった最初のクローントゥーイ居住者は、トンローのナイトクラブで働いていました。
トンローのナイトクラブは、いわゆるタイで進行中の第3波の震源地です。

彼の感染が確認された時までに、ウイルスはすでに彼の家族といくつかの隣人に感染していました。
彼らの検査結果が戻ってくるのを待っている間、感染は近所全体にさらに広がりました。

近隣の家との距離が1メートル以下しか離れていないクローントゥーイの人口密度に助けられて、感染の拡大は4月末までに300人以上と急速に広がりました。

クローントゥーイの発生を迅速に封じ込めることができなかった場合、バンコクの他の地域が伝染が広がることになるでしょう。
結局のところ、これらの過密なコミュニティには、バンコク全土のサービス部門やその他の部門で働いており、一般的に公共交通機関を使用して通勤している数万人が住んでいます。

クローントゥーイの住民の大多数はまだ感染していませんが、ウイルスを長期間遠ざけることができない可能性があります。
彼らの家は非常に狭いことが多く、家族の誰かが新型コロナに感染した場合、感染の拡大を防ぐことは非常に難しいものと思われます。

クローントゥーイに住む人たちを、一言に「スラム」と呼ぶ人がいますが、アメリカの昔のサウスブロンクスのようなところをイメージするのは間違いです。
確かに家の構えは粗末な者が多くバラックのようですが、都心の一等地に住み、自営している人もいるので新車を路上に駐車している(駐車場はない)ような姿をよく見かけます。
低所得な仕事に従事している人が多いのも事実ですが、仕事をする上で生活をする上で便利な場所だからここまで過密になりながらも住んでいるとも言えるのです。
結果として、それが今回の大規模クラスターを呼び込んでしまいました。
現在タイ政府は、クローントゥーイの人々に優先的にワクチンを投与し事態の収拾を計ろうとしていますが、本文中にもある通りすでにバンコク中に広がっただろうウイルスです、新規感染者数が今回なかなか下がらないのは、こういった背景があるからかもしません。

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