先週末のデモ後よく見かけるこの写真。一体何をしている?

Reuters photo

先週末の反政府デモの後、ある一人の学生服を着た女の子の写真がSNSなどでよく見かけます。
これは何が起こったのだろう?と不思議に感じた人もいるのではないでしょうか。
Bangkok Post紙が報道する内容を引用させて頂き、お伝えいたします。

(以下、引用)
学校での性的虐待を主張するプラカードを掲げた女性をめぐり、ネット界隈では賛否両論激しい争いが繰り広げられている。
一方では、事実と異なることを主張し、タイのイメージを汚していると非難し、一方では、実際に教育の現場内外で性的な虐待が行われていると言います。

20歳のナリンラットさんはこう主張します。
「私の行動が社会の人々、学校に行く学生、子供を学校に送る大人、教師、そして教育省の意識を高めることを願っています」

現在大学生であるナリンラットさんは、数年前から学校で性的嫌がらせを受けたとソーシャルメディアで主張していました。
しかし、彼女は週末にバンコクでの抗議で高校の制服を着て、黒いテープを口に貼り「私は教師に性的に虐待されました。学校は安全ではありません」と書かれたプラカードを掲げ、激しい抗議活動をした際に注目を集めました。

彼女を中傷する者は、「彼女が本当の高校生ではない」と批判し、彼女は多くのバッシングを受けることになります。
彼女は普段から、衣装を楽しむモデルのようなことをしていたことが、彼女のSNSから想像ができ、それについても非難の的となりました。

「非学生が学校の制服を着ているとき、社会やソーシャルメディアからこれほど多くの注目を集めてしまった場合、それに伴う責任を負う必要が発生します」と現政権の議員であるパリーナ女史は述べます。
パリーナ女史はロイターに、ナリンラットさんが学校の学生ではなかったときに制服を着ていたとして起訴することを計画しているだけでなく、彼女の前の学校に本当にこのような性的嫌がらせがあったのか、警察の調査を求めることを計画していると語りました。

※タイでは、看護婦や警察、国軍などの制服を、その業務に従事していない者が着用した場合、罰せられます。

 

ナリンラットさんソーシャルメディアで何千ものバッシングに直面しましたが、彼女の支持者らは、彼女が正しい形式の抗議を選択したかどうかの議論によって、本来伝えたいとされるメッセージが失われるべきではないと主張しました。

ヒューマンライツウォッチの主任研究員であるスナイ・パスク氏は
「歴代の政府は、学校を子供たちにとって安全にしていくことを約束したが、性的嫌がらせやその他の虐待を終わらせるために実際に何か実施されたことはほとんどない」と述べます。
「子供たちは、彼らを保護できない教育システムの前に、黙って従順であるべきではない」と彼はロイターに語った。

この件についてコメントを求められた時、文部省の関係者は、今年から性的嫌がらせに取り組むための学生保護センターを設立し、その報告を調査するための委員会を設立したと述べました。
同センターの常任秘書は「犯罪が発生した場合、直ちに罰せられます。いずれかの事件が報告された場合、調査が行われ解決されるでしょう」と語った。
今年3月、注目を集めたある事件では、先生が成績の向上と引き換えに生徒にわいせつ行為をしていたとして、教師が調査の対象になりました。

しかし学生グループらは、問題は学校内外のはるか広範囲に及んでいると言います。

若者主導の抗議運動の幅広い要求に加えて、学生はまた、学校では教育をするのではなく、古風な考えに権力者への従順を教える原則を浸透させるようなシステムの学校体制に対し、より大きな自由と平等を求めてデモを行っていると言います。

2019年のYouGovの調査によると、タイ人の5人に1人が性的嫌がらせを経験しており、男性は女性とほぼ同じくらいそういった問題に直面する可能性があると指摘しています。
性的嫌がらせの最も一般的な形態は、性的暴行でした。(嫌がらせを受けた人の44%)
それに反し、事件を警察に報告したと答えたのはわずか10%でした。

「学校は性的嫌がらせの割合が高い場所です」と、フェミニストの解放戦線タイグループのバジュラソビン・マネニルさんは言います。

文部省が学生保護センターを作るほど問題が表面化しているのに、国のイメージを損ねたとか宣う人がかなり多いというのも事実なのでしょうね。
みなさんは、お感じになられましたか。

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