バンコク「歩ける都市」実現へ一歩。全長47.5kmの遊歩道・自転車道を整備。でも使っているのは…。
- 2025/7/9
- バンコクとその近郊

バンコク都は、センセープ運河沿いに47.5kmにわたる遊歩道と自転車道を整備する大規模プロジェクトを進行しています。
この事業は、プラナコン地区からノンジョーク地区までを結ぶ安全で利便性の高い移動ルートの整備を目的とし、歩行者・自転車利用者のための快適で持続可能なインフラ整備が進められています。
MRT、BTS、水上ボートなどの公共交通ネットワークとの接続も重視されており、都市内移動の選択肢を広げる構想です。
静かで快適な環境づくりと市民の健康支援にも貢献
整備対象のルートには、舗装された歩道、安全柵、夜間照明、監視カメラ(CCTV)が設置され、交通の影響を受けずに安心して通行できる環境が整えられています。
また、高齢者や車椅子利用者のためのスロープも設置され、バリアフリー設計にも力が入っています。
このルートは、都市の喧騒から離れた静かな空間で、朝夕の運動や通勤・通学ルートとして利用されており、地域住民にとって身近な「生活動線」となっています。
とくにシーナカリンウィロート大学(SWU)周辺では、学生や教職員による利用が活発です。
2030年完成予定、将来的には他の主要地区とも接続へ
現在までに約60km分の護岸・歩道・自転車道が整備され、さらに4.72kmの追加工事も進行中です。
プロジェクトは2030年までの完成を目指し、将来的にはラップラオ、プロンポン、タープラ、サムヨートなどの主要エリアとの接続も計画されています。
また、バンコク都庁は本計画を単なるインフラ整備にとどめず、地域住民の意見を反映した市民参加型の開発手法を取り入れており、横断路、接続点、休憩スペースの設計にも住民の声が活かされています。
利用者の満足度も高く、都市の新たな魅力に
試験導入区間では、住民から「日々の移動が安全で便利になった」「車を使わずに移動できるルートがあるのは安心」といった評価が寄せられています。
市民の健康促進や、環境負荷の低い交通手段の推進にも貢献しており、バンコクの新しい都市のかたちを示すモデルケースとなっています。
モデルケースとなるような道路はほんの一部でしかなく、ほとんどは歩行者よりバイクの専用道路と化しています。
道路交通法の整備とそれを守らせるための取り締まりが先ではないでしょうか。