2023年に大幅赤字計上! タイの「ドンキ」2店舗目の閉店の影で、何が起こっているのか?
- 2025/5/10
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バンコクにある日本の「ドン・キホーテ」、「ドン ドン ドンキ / ザ モール バンカピ店」が、閉店を発表したことは先日お辰エしました。
これはタイ国内で2店舗目の閉店となり、タイの経済的な逆風において、「日本食ブーム」が唱えられる中、日系企業といえども経営が簡単ではないことを物語っています。
「ドン ドン ドンキ / ザ モール バンカピ店」は、2023年12月にオープンしたばかりで、営業最終日は2025年5月12日とされています。
バンカピ店が閉店すると、ドン ドン ドンキのタイ国内店舗数は8店舗から7店舗へと減少となります。
残る店舗はトンロー、シーロム、MBKセンター、シーコンバンケー、シーコンシーナカリン、ファッションモール、シラチャに展開しています。
ドン ドン ドンキの店舗閉鎖は、2022年9月に「ザ・マーケット・ラチャプラソン店」に次ぐもので、パンデミック後の事業戦略の見直しの一環とされています。
バンコク撤退は小売業のコスト圧力を象徴
新型コロナウイルスによる経済的混乱後、ドン ドン ドンキ(タイランド)は、当初2025年までに20店舗を目指す計画を修正し、年間3店舗の新規開店にペースダウンしていると伝えられています。
タイ商務省事業開発局に報告されたドンキ(タイランド)社の財務実績からは、2020〜2024年の売上と純利益に大きな変動が見られます:
・2020年:売上 7.27億バーツ、純損失 -2.06億バーツ
・2021年:売上 10.67億バーツ、純利益 2,284万バーツ
・2022年:売上 16.14億バーツ、純利益 1.02億バーツ
・2023年:売上 21.19億バーツ、純損失 -21.17億バーツ(大幅赤字)
・2024年:売上 21.71億バーツ、純利益 1.41億バーツ
ドン・ドン・ドンキのタイ進出と経営構造の変化
タイでの展開は2019年2月、トンローの「DONKI Mall Thonglor」開業により始まりました。
当初の運営は、日本のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)傘下のPan Pacific Retail Management(シンガポール)社が担っていました。
その後、2020年にサハパタナピブン社(Sahapat)およびTOAベンチャー・ホールディング社が出資に参加し、持株構成が以下のように変更されました:
・パンパシフィック:60%
・サハパタナピブン:22%
・TOA:18%
これに伴い、運営会社名も「Donki Thonglor Co., Ltd.」から「Donki (Thailand) Co., Ltd.」へ変更。
登録資本金は7億5,000万バーツとされています。
因果関係の詳細は不明ですが、2023年はドンキプロデュースの「鮮選寿司」が何店舗も立ち上げていた年でもあります。