日本、タイ産業の省エネ促進へ新たな支援「AZEC-SAVE」(アジアゼロエミッション・コミュニティ)を発表
- 2025/5/2
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日本政府は、タイの気候目標達成を支援するため、「AZEC-SAVE(アジア・ゼロエミッション・コミュニティ ― スマートかつ高度な環境バリューチェーン)」という新たな協力枠組みを発表しました。
この枠組みでは、複数の日本機関が連携し、専門知識と資金援助を通じて、タイ産業界の省エネおよびエネルギー保全への投資を後押しします。
このイニシアチブは、2050年までのカーボンニュートラル、および2065年までの温室効果ガス排出量実質ゼロの実現を目指すタイの脱炭素戦略を加速させることを目的としています。
発表したのは国際協力銀行(JBIC)で、在タイ日本大使館、海外産業人材育成協会(AOTS)、日本貿易振興機構(JETRO)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と連携して展開されます。
この取組は、岸田文雄首相の主導で2023年に設立された「アジア・ゼロエミッション・コミュニティ(AZEC)」の枠組みに基づいており、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、日本、ラオス、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムなど11カ国が参加しています。
在タイ日本大使館の大鷹正人大使は、両国が共有する2050年のカーボンニュートラル達成目標を強調し、特にデータセンターなどの電力需要が急増する中、日本の経験と技術がタイの排出削減努力に大いに貢献できると述べました。
タイの3段階戦略
タイのネットゼロ戦略は、以下の3つのエネルギーセクターで構成されています:
・発電(上流)
現在、発電の60%は天然ガス、20%は石炭、残り20%は再生可能エネルギー。2024年の電力開発計画(PDP)では、再生可能エネルギー比率を50%以上に引き上げる方針です。
・送電・配電(中流)
国営企業主導のもと、送電能力の向上とスマートグリッドへの転換を目指します。
・電力消費(下流)
製造業が国内電力消費の40%を占め、特に輸出型工場に対して直接・間接排出の両面で省エネ努力が求められています。
商業施設やホテルなどの非製造業分野でも、日本の技術を活用した省エネの大きな可能性があります。
エネルギー効率エコシステムの構築
日本代表団は、AZEC-SAVEの枠組みで、人材面・資金面の支援を提供し、タイ国内のエネルギー消費削減を支援する方針を確認しました。
支援対象には、日本企業の現地法人、タイ企業、国営企業、外国企業、工業団地などが含まれます。
また、日本は省エネ機器やサービスを多数提供しており、これらは政府系金融機関、リース会社、官民連携により後押しされています。
JBICがこのプラットフォームとエコシステムの中核的役割を担います。