タイ政府、政策二転三転。ビザ免除制度見直しへ。中国人などの犯罪増加を受けようやく。

先日タイのぺトンタン首相が、「ビザ免除制度」の見直しを関係省庁に指示したことをお伝えしましたが、4月27日、広報局もフェイスブックで、ぺトンタン首相がビザ免除制度の見直しを承認したと発表しました。

一部の外国人観光客による不法滞在や違法就労が発覚したことが背景にあります。

現在のビザ免除制度では、93の国と地域からの観光や緊急業務目的の滞在が最長60日間可能で、さらに30日間の延長が認められています。

しかし近年、外国人観光客による違法就労、盗難、暴行、振り込め詐欺などの犯罪が明るみになり、深刻な事件も発生しています。

特に、中国人による残虐な事件や誘拐事件、タイ人名義貸しによる中華企業の横暴に、連日のようにタイ社会へ衝撃を与えています。

政府は5月1日から、入国時に従来のTM6用紙に代わるデジタル到着カード(TDAC)を導入します。
新システムは、入国審査やビザ管理を効率化する狙いですが、
犯罪歴のある入国者を事前に検知・阻止できるかについては明言されていません。

ビザ免除制度の調整は必要ですが、拙速に進めるのではなく、観光業界関係者や法執行機関と十分に協議を行い、公聴会の開催など広範な意見を取り入れることが重要です。

さらに、タイ政府は数か月ごとにビザ制度を見直すようなことは避けるべきです。
頻繁な変更は観光客の混乱を招き、タイ観光業そのものに悪影響を及ぼしかねませんとタイメディアも苦言を呈しています。

そもそもこのような急激なビザ免除制度を導入する際も、今日のような問題点がすでにタイを蝕んでおり、多くの業界団体から懸念を指摘されていました。
それにもかかわらず、現行のタイ貢献党政権は聞く耳を持たず実行し、今日の状況を招いています。
あまりにも政治素人な対応に、経済もガタガタで、株価はコロナ過中よりもはるかに下回るという惨憺たる有様です。
もう政権交代が必要な時期かもしれません。

【在タイ日本大使館】5月1日(木)からタイデジタル到着カード(TDAC)の開始

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