タイのジュゴンが絶滅の危機に直面:海草の減少や海洋汚染、プラスチックごみが原因

タイに生息するジュゴンは、近年死亡率が増加しており、絶滅の危機に瀕しています。

著名な海洋生態学者のトン・タムロンナワサワット氏は、ジュゴンの保護を呼びかけています。
同氏は、海草の減少、生息地の喪失、海洋汚染、プラスチックごみにより、ジュゴンの個体数が年々減少していると指摘しました。

多くの機関がジュゴン保護に努めているものの、その死亡率は依然として高いままです。

スープ・ナカサティアン財団の報告によりますと、2022年には273頭のジュゴンが確認されましたが、そのうち18頭が死亡し、遺体が海岸に打ち上げられました。
主に硬い物体との衝突が原因とされています。

ジュゴンは「海の牛」とも呼ばれ、海草の生態系を維持する上で重要な役割を果たしています。
海草の繁茂(はんも)は、他の海洋生物の生息地を提供し、沿岸侵食を防ぎ、温室効果ガスの削減にも寄与します。

ジュゴンは1日に約35kgの海草を摂取し、その糞は海草の生育地の肥料となります。
また、糞には海草の種が含まれる場合があり、これが海洋生態系の回復を助ける可能性があります。

気候変動や人間の活動がジュゴンの死因や海洋生態系への影響に関与しています。
タイ海洋・沿岸資源局のデータによると、ジュゴンの死亡原因の90%が漁具への絡まりに関連していることが分かっています。

また、ジュゴンだけでなく、ウミガメや海水魚もプラスチックごみの被害を受けています。
海洋ごみの80%が陸地から流れ込んでいる現状を踏まえ、人間はごみ削減の取り組みを進めていますが、さらなる努力が求められています。

努力と言っても、ゴミのポイ捨てはむしろ増えてますし、呼びかけの努力だけでは1ミリの結果も得られません。
取締りと罰則のないルールなど、タイ国民は何の関心を持つことはないでしょう。

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