チャンネルOne31が謝罪! 猫に危険な鎮静剤を打ったのは獣医師ではなかった! 期待のドラマに汚名。

テレビ局が謝罪する事態に発展しています。

2024年、タイの伝統ドラマ業界を救うと期待されていた時代劇『แม่หยัว 〜アユタヤの女帝〜』が、動物虐待を巡る激しい論争の渦中に立たされています。
このドラマはタイとベルギーのハーフ女優マーイ・ダウィカーが主演し、チャンネルOne31とNetflixで配信されています

しかし、第五話で放送された問題のシーンが視聴者の反発を引き起こし、#BanMaeYua(メーユアを発禁せよ)というハッシュタグが拡散される事態に発展していました。

問題のシーンでは、黒猫が麻酔をかけられ、吐き気や痙攣をリアルに再現する場面が描かれていました。
この描写が動物虐待に当たるとして批判が殺到します。

11月9日には、監督が黒猫の健康状態を示す写真を公開し、専門家の監督下で撮影(実際にはいなかった)が行われたと説明しましたが、世論の怒りは収まりませんでした。

これに対し獣医の専門家たちは、麻酔が動物に及ぼすリスクを指摘しています。
特に吐き気を伴う場合、誤嚥(ごえん)などで呼吸器系や循環器系に深刻な影響を及ぼす可能性があると警告しました。

これを受け、11月10日にはチャンネルOne31が謝罪声明を発表します。
同局は、10年以上の経験を持つ動物モデル会社を採用し、撮影中は飼い主が立ち会ったと説明しました。
しかし、この弁明も視聴者の怒りを沈めるには至りませんでした。

この問題はタイの動物権利団体の注目を集め、タイ動物権利協会のロジャー会長が、刑法第20条に基づく動物虐待の可能性について畜産局に正式な告訴状を提出しました。

また、批評家はハリウッドのより人道的なアプローチを例に挙げています。
たとえば、最近の映画「アナトミー オブ ア フォール」では、CGI と慎重なトレーニングの組み合わせによって同等の効果を発揮し、犬の出演者は名誉あるパーム ドッグ賞を受賞しています。

『แม่หยัว 〜アユタヤの女帝〜』は当初、衰退するタイのテレビ業界を再生する作品と位置づけられていました。
高い制作価値とスターキャストにより注目を集めていましたが、今回の論争はタイのエンターテインメント業界全体における動物福祉基準に疑問を投げかける結果となっています。
この問題を契機に、動物を扱うシーンの制作方法に業界全体で見直しが求められることを期待します。

タイ人社会に蔓延する「命」に関する考え方が露呈した問題とも言えます。

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