バンコクの大型賃貸オフィスビル「O-NES TOWER」タイ国内で2例目のWELL・LEED両認証取得

 株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)のグループ会社であるタイ大林(本社:タイ・バンコク、社長:ポーンチャイ・シティヤコーン)が開発した大型賃貸オフィスビル「O-NES TOWER」は、このたび健康やウェルビーイングの観点から施設空間を評価する国際的な認証制度「WELL Building Standard(以下、WELL認証)(※1)」のオフィス及び商業区画の共用部を対象とした「WELL Core (v.1)」において、「ゴールド」を取得しました。

 

 2023年8月に省エネルギーや環境影響などへの取り組みを総合評価する国際的な制度LEED認証(※2)(v.4 BD+C: Core and Shell)の「ゴールド」を取得しており、WELL認証とLEED認証をともに取得した建物としては、タイ国内で2例目(※3)、大林グループが開発する海外案件において初の事例(※4)となります。

 

WELL認証状
LEED認証状

WELL認証に関わる主な取り組みと評価

 タイ・バンコクでは、都心部で微小粒子状物質(PM2.5)による健康への影響が懸念されるなど、タイ国内において健康配慮やウェルビーイング対応の不動産物件への関心が高まっています。WELL認証を取得した高付加価値オフィスビルへの入居は、オフィスワーカーの日々の働きやすさの実感や働きがいを高め、入居テナントの企業価値向上に貢献します。

 

 O-NES TOWERでは本認証取得にあたり、「高性能空調フィルターによる外気の取り入れ」や「照度センサー付電動ブラインドの標準装備、グレアレス照明の採用」など、オフィスワーカーにとって健康で心地よい環境づくりが評価されました。

 

 また、O-NES TOWERにおけるウェルビーイングに関する取り組みとして、入居テナント向けにウェルビーイング活動の提供や、開放的で緑豊かな屋上空間を整備、マーケットイベント等を開催しており、入居テナントの従業員の健康増進、エンゲージメントの向上にも取り組んでいます。

 

フィットネス、ヨガなどの、ウェルビーイング活動を企画
誰でも利用可能な緑豊かな屋上空間
マーケットイベントの開催

LEED認証に関わる主な取り組みと評価

 本認証では、北側・南側外壁に取り付けたルーバーによる日射遮蔽、タイのオフィスでは珍しい個別空調の採用や照明・空調・ブラインドのセンサー制御による省エネ性能の向上、エントランスロビーにおける床冷房システムの採用などが評価されました。また、モバイル端末で消費エネルギーの見える化を図るなど、利便性とともに環境にも配慮した快適な執務環境を提供しています。

外壁ルーバーによる日射遮蔽
床冷房システムの導入
モバイル端末による設定画面

 

 タイ大林は、バンコクにおける新たな不動産開発案件として、BTS(※5)ラチャダムリ駅前の約9,000㎡の土地に大型複合ビル開発を計画しています。O-NES TOWERにおける開発ノウハウを生かし、今後も健康・環境配慮型の不動産開発事業を推進します。

 

 大林グループは、カーボンニュートラル、ウェルビーイングに関する課題解決を「中期経営計画2022」における基本戦略の1つとして位置付けており、不動産開発事業領域においても積極的に取り組み、アセットタイプの多様化と安定的なインカムゲインの確保に向けて、グローバル市場における優良資産の獲得を目指します。

 

建物概要

名 称

O-NES TOWER(オーネスタワー、タイ大林本社入居)

場 所

タイ王国バンコク都クローントゥーイ区(BTSナナ駅直結)

事業主

タイ大林

設 計

建築:タイ大林デザイン  構造・設備:タイ大林

構 造

S造・RC造

規 模

地下5階、地上29階、塔屋2階、延85,000㎡

工 期

2019年3月~2022年3月

施 工

タイ大林

認 証

<WELL認証>

適用版WELL Core v1、認証取得2024年6月、認証ランクゴールド

 

<LEED認証>

適用版LEED v.4 BD+C: Core and Shell、認証取得2023年8月、認証ランクゴールド

主な特徴

  • RC コア壁と鉄骨フレーム(一部の柱は CFT(※6))ハイブリッド構造を採用

  • 天井高3m、奥行き20m超の整形無柱オフィス空間

  • 地下1階に車寄せを計画、歩行者と車の動線を分離した安心な歩行空間

所在地
O-NES TOWER 外観写真

 

 

※1 「人々の健康への影響」という観点から建物空間のデザイン・構築・運用を評価する国際認証制度。

IWBI(International WELL Building Institute)が運営。当プロジェクト適用のv1の場合「空気」「水」「栄養」

「光」「フィットネス」「快適性」「マインド」の7領域(最新バージョンv2では10領域)を対象に建物を評価する

※2 省エネで環境負荷が少ないなど総合的に環境性能の高い建築物「グリーンビルディング(環境配慮建築)」の普及を目指

す、USGBC(U.S Green Building Council)が開発、運営する建物環境性能認証制度:Leadership in Energy and Environmental Design

※3 WELL認証・LEED認証コンサルタント調べ

※4 自社調べ

※5 BTS(Bangkok Mass Transit system)バンコクの都心を運行する高架鉄道

※6 CFT(Concrete Filled Tube)

  筒状の鋼管柱の内部にコンクリートを充填して耐震性や耐火性を高める柱部材

 

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