タイ空港、乗り継ぎ客からも空港使用料徴収へ。制度改革で年間130億バーツ増収を。

タイ空港公社は、慢性的に続く航空事業の収支ギャップを是正するため、旅客サービス料(PSC)の徴収対象拡大と商業テナント契約の見直しに踏み切る方針を明らかにした。
実現すれば、年間約130億バーツの増収効果が見込まれるという。

パウィーナ代表は、航空関連収入が安全対策や空港運営コストを下回る状況が続き、毎年100億バーツ超を非航空収入で補填していると説明する。
PSCの見直しは利益追求ではなく、「削減できない安全コストと収入のバランスを取るため」と強調した。

乗り継ぎ・トランジット旅客も対象に

AOTは現在、出発旅客のみにPSCを課しているが、世界の空港の9割以上が乗り継ぎ・トランジット客からも徴収しているという。
タイは例外的な存在で、航空ハブとしての地位に見合った収益を確保できていないと指摘。
今後、省令改正を提案し、乗り継ぎ客からの徴収を可能にする方針だ。

同社によると、PSCは航空券価格などに比べ旅行需要への影響は小さく、制度改正によって将来投資に伴う借入依存も軽減できるとしている。

投資方針も転換

AOTは投資戦略についても、単なる低コスト重視から、長期的価値と利用者体験を重視する「スマート投資」へと転換する。空港内の清潔さや空調、ターミナル内交通など、細部にわたるサービス品質向上を図るほか、故障後対応ではなく予防保全型の管理を強化し、国際的信頼を損なうリスクを抑える。

地方空港への投資も継続し、赤字空港であってもAOTネットワーク全体で均一なサービス水準を保つ考えだ。

商業エリア改革と新規事業

さらに、2,000以上のテナントと持続可能な関係を築くため、商業エリアの賃貸契約を段階的に見直す。
売上や旅客数を反映した賃料体系に改め、過度な負担で店舗が撤退する事態を防ぐ狙いがある。

加えて、航空保安訓練、物流、ホテル事業、空港内EV充電設備など、新たな収益源の開拓も検討しており、AOTは「持続可能な空港経営」への転換を本格化させる構えだ。

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