25年ぶりの被害規模! タイ南部ハートヤイ洪水はなぜ起こった? 専門家が原因を解説。
- 2025/11/24
- タイ南部

この度、タイ南部10県で洪水が発生し、56万世帯が被災した。
特にソンクラー県ハートヤイ地区では25年ぶりの大規模洪水が発生し、経済損失は5億バーツを超えると言われている。
ソンクラー県全体では、16郡すべてで洪水が発生し、15万世帯が被災した。
11月24日、環境・健康分野の専門家であるソンティ氏は、自身のSNSでで、南部の洪水危機について解説した。

■ハートヤイ洪水の主な原因
・地形の特徴
ハートヤイは低地で、ソンクラー湖に向かって傾斜しているため、水が集まりやすく、排水が困難。
特に高潮時は、排水がさらに困難になる。
主な排水路であるウータパオ運河(全長116km)は、サダオ郡を経てハートヤイを通り、ソンクラー湖クータオ地区へ流れる。
また、王室プロジェクトに基づく洪水緩和用のルアン1運河(ラーマ9世の発案)は、ウータパオ運河から洪水を迅速にソンクラー湖に排出する目的で設置されている。
周辺のからの水も、すべてウータタオ運河に流れ込み、ハートヤイの低地を氾濫させている。

・気象条件の影響
今回、中国からの高気圧や寒気が低気圧を刺激し、南部に豪雨をもたらした。
さらにラニーニャ現象により空気中の湿度が高く、例年より多量の雨が10県で降った。
2025年11月19~22日の3日間で総降水量は595mmに達し、過去の2000年・2010年の最大値515mmを上回っていた。
・水管理・予測・対応の不備
洪水対策や警報、被災者支援の対応は十分ではなかった。
今年はラニーニャで異常気象が予測されていたにもかかわらず、洪水対策は全国的に不十分だった。
災害警報は1~2日前にCell Broadcastで通知されたが、現場での避難や支援、食料・水の提供は遅れ、多くの人が屋根上で孤立したままになった。







































