バンコク首都圏の地盤沈下、年間3㎝! 地下鉄工事や水道管破裂が原因。ラムカムヘン地域が顕著!
- 2025/9/25
- バンコクとその近郊

過去10年間、世界中で気候変動や産業開発による温室効果ガスの排出が増加し、地球の平均気温が1〜1.5度上昇しています。
その結果、極地の氷河が大量に融解し、海面上昇が進んでいます。
ハワイとオーストラリアの中間に位置するツバルの首都フナフティは、2050年までに50%の土地が浸水すると予測されています。
この状況は、タイでも他人ごとではありません。
タイ自然資源環境省地質資源局のピチット局長は、次のように述べています。
「この現象はタイにも明確な影響を与えており、特にバンコクとその周辺地域、タイランド湾に面したエリアでは毎年海面が上昇しています。」
さらにピチット局長は次のように説明します。
「それだけでなく、地盤沈下も発生しています。
海に近い地域では、海面上昇と地盤沈下の両方の影響により、年間平均で1〜3センチ沈下します。
10年で10〜30センチの沈下が起こる計算です。海に近い地域ほど沈下は大きくなります。
バンコクでは、最も沈下が大きい場所で年間2〜3センチ、特にラムカムヘン地区では顕著な兆候が表れています。」
バンコクとその周辺地域は厚さ20〜30メートルの粘土層で構成されており、地下に空洞はないと言います。
「バンコクや周辺の陥没・地盤沈下は、地質構造が原因ではなく、地下インフラ、例えば水道管や大型送水管の破損によるものです。
これらの管が破損すると水が漏れ、粘土が湿って泥状になります。
さらに、重量のある車両の通行による圧力で地盤に空洞ができ、泥がその空洞に流れ込むことで、上の道路(コンクリートやアスファルト)が沈下します。」
特にワチラ病院前の陥没事故は、破損した大型水道管、建設中の地下鉄駅の空洞、車両の圧力という条件が重なった典型例だと指摘しています。
地下鉄駅は大型商業施設ほどの規模があり、大規模な陥没を引き起こす可能性があります。
同局長はさらに、バンコクやその周辺の他の地域でも同様のメカニズムで陥没が発生していると説明しています。
例えば、チェーンワッタナー地区やラマ3通りでは、今年6〜7月に同様の事例が確認されています。
結論として、バンコクの20〜30メートルの厚い粘土層自体は自然に沈下することはありません。問題は目に見えない地下建設構造物、特に水道管の破損による水漏れです。
これにより、将来的にワチラ病院前のような陥没が再び発生する可能性があります。
要するに全ては人災ということですね。