日本のJICAと協力。タイ・ラヨーンにASEAN最大級の「3GeV次世代放射光施設」建設。
- 2026/9/29
- その他のエリア

タイで、東南アジア最大かつ最先端とされる3GeV(30億電子ボルト)の新たなシンクロトロン放射光施設を建設する大型プロジェクトが進められている。
日本の国際協力機構(JICA)との協力契約を11月に締結する予定で、タイをアジア太平洋地域におけるシンクロトロン光研究の主要拠点へと発展させる狙いだ。
計画によると、新施設はタイ東部ラヨーン県ワンチャン郡のワンチャンバレー(Wangchan Valley)に建設される。
同地域は、タイ政府が先端産業の集積を進める東部経済回廊(EEC)に位置している。
新シンクロトロンはエネルギー3GeV級で、施設の主要リングは周長321.3メートルという大規模なものになる予定。赤外線からX線まで幅広い波長領域の放射光を利用し、肉眼では確認できない物質の構造や性質などを詳細に分析できる研究基盤となる。

◆EV、半導体、宇宙、医療など幅広い産業に活用
シンクロトロン放射光は、物質や材料を原子・分子レベルで分析する研究などに利用される。
新施設の完成後は基礎研究だけでなく、タイが重点的に育成を進める幅広い産業への応用が期待されている。
対象分野には、電気自動車(EV)、半導体、宇宙、農業・食品、医療、先端材料、環境、エネルギーなどが含まれる。
また、考古学や法科学(フォレンジック)などでの利用も想定されている。
タイ側は、世界水準の大型研究施設を国内に整備することで、研究開発力の向上に加え、産業界による高度な分析・研究開発を支援し、将来的にはアジア太平洋地域のシンクロトロン研究をリードする拠点の一つとすることを目指している。

◆2028年ごろ着工、2034年の全面稼働を計画
現在の計画では、施設建設は2028年半ばごろから段階的に開始し、2031年まで進める予定となっている。
その後、2032年半ばから主要システムの設置・試験を行い、2034年の全面稼働を目指す。
プロジェクトが計画通り実現すれば、EECには製造業やデジタル産業だけでなく、最先端科学を支える大型研究インフラが加わることになる。
日本のJICAとの協力も予定されており、タイ側にとっては日本の大型放射光施設に関する技術や運用ノウハウを取り込みながら、次世代研究基盤を整備する重要プロジェクトとなりそうだ。







































