タイ反政府活動家失踪事件、たった5年でカンボジア裁判所が捜査終了。全ては歴史の闇の中に…。

つい数年前の事件すらまともに真相を突き止めることができないのに、我々が学んだ歴史がどうして正しいものだと言えるのだろうか。

カンボジアの裁判所は、2020年に同国で失踪したタイの反政府活動家ワンチャルーム・サットサクシット氏(วันเฉลิม สัตย์ศักดิ์สิทธิ์)に関する捜査を正式に終了したと発表した。
事件は5年間調査されたが、容疑者は一人も特定されず、実質的に真相解明は打ち切られた形となった。

人権団体クロス・カルチュラル・ファウンデーション(CrCF)によると、ワンチャルーム氏の姉シッタナンさんは、プノンペン市裁判所から不法拘束などの容疑について捜査を終結するとの通知を受け取った。
この決定は2020年末以降、初めて出された公式な判断である。

ワンチャルーム氏はタイ政府を強く批判していた政治活動家で、亡命先のカンボジアで生活していたが、2020年6月、プノンペン中心部で白昼、武装した男たちに拉致される様子が目撃され、防犯カメラにも記録されていた。
しかしその後の行方は、いまだに分かっていない。

姉のシッタナンさんは、容疑者を特定しないまま捜査を終えた裁判所の判断を「法の失敗であり、家族への侮辱だ」と厳しく批判した。
人権団体も、強制失踪防止条約の締約国であるカンボジアが国際的義務を果たしていないと指摘している。

また、国連の強制失踪委員会は今年、捜索と公正な調査の強化を求めていたが、CrCFによれば当局は防犯カメラ映像の十分な分析や、捜査手続きに関する透明な説明を行わなかったという。
今回の捜査終了は、東南アジアで亡命中の政治活動家に対し、受け入れ国が十分な保護を提供しない可能性を示すものだと人権団体は警告している。

この事件は、タイとカンボジア双方の闇を象徴するかのような事件だった。
本誌もタイに住む者として、タイ人の家族を持つものとして、この国の人びとの発展と幸福を心から願いつつ日々ペンを奮っています。
それは時によって、権力者の利権に反抗する内容も載せています。
メディアは真実を伝えなければなりません。
政府のプロパガンダに乗るだけのメディアは、ただのマスゴミです。
本誌ではこの道を歩みを諦めることは決してありません。
従ってもし本誌が継続できないような状態になったり、私が自死するような報道がなされた場合、他者のチカラが働いたものと思ってください。

関連記事

最新記事

月間人気記事TOP10

ページ上部へ戻る