タイの2025年を映す出すグーグル検索ワードトップ10! ショッカー戦闘員からバンコク地震まで。

2025年もあと半月ですが、今年もタイ国内いろいろありました。

最近Google が発表した「Year in Search」では、今年タイ人の関心を最も集めた検索ワードを発表しています。
政治スラングから文化現象まで、多岐にわたるワードトップ10と
その背景を紹介します。

1. Kiki(กีกี้)

2025年3月、野党議員ウィロート氏がペトンタン首相への不信任討論の際、タイ貢献党議員に何度も妨害された際に「抗議する前に『Kiki』と言ってみたら?」と反撃したことが話題に。

「Kiki」は日本の『仮面ライダー』に登場するショッカー戦闘員の鳴き声から来ており、「権力のない取り巻き、使いっ走り」という政治的侮蔑を意味する語として使われた。

さらに、若者スラング「ki(キ)」には「女性器」という意味もあり、副首相プムタム氏(当時)は「女性差別的だ」と批判した。

仮面ライダーの戦闘員の掛け声「ギギー」が、タイのSNSでトレンド入り! これって、どゆこと?

 

2. サセン(ซาแซง)とは?

英語の「stan(狂信的ファン)」に近い。
韓国語「사생팬(サセン)」から来た言葉で、ストーキングや私生活への侵入など、度を越した行動をするファンのこと。

2025年1月、歌手Stampが「10年以上サセンに脅され休業した」と告白したが、後にその人物が不倫相手だったことが発覚し炎上。
また、6月には人気女優LingとOrmがサセン被害で警察に訴えていました。

ケン-ナムピンも被害に!

「ケン – ナムピン」ドラマ大ヒットで海外からのオファー急増中! 一方、中国では「サセン」被害に!

 

3. アフターショック(อาฟเตอร์ช็อก)

3月28日、ミャンマーを震源とするマグニチュード8.2の地震がタイ全土をパニックへと陥れ、中華オカラ建築の監査庁ビルが崩落し92名が死亡するという事件が発生しました。

その後、3.1〜5.5の余震が44回記録され、「アフターショック」の検索ワードが急増しました。

初の逮捕! バンコク地震で崩壊した国家監査庁ビル、中国系企業幹部に名義貸しと不正疑惑。

 

4. スキャマー(สแกมเมอร์)

2025年、タイはオンライン詐欺が急増。
「2025年タイ詐欺白書」によると、タイ人の72%が詐欺接触を受け、1人当たり年間172回、60%以上が被害経験あり。
平均被害額は、約13,000バーツ。

詐欺組織に騙され海外に連れ去られ、強制労働・ロマンス詐欺に加担させられるタイ人も多数報告され、一部はノルマ未達で拷問死しています。

政府は国境の電力遮断、口座凍結、SIM規制強化、暗号資産の取り締まりなどで対策を強化していますが、出口が見えません。

【非常事態】バンコク、世界一の「観光客スリ・詐欺都市」に! さらにパタヤやプーケットもトップ10入り。

 

5. 戒厳令(กฎอัยการศึก)

タイ・カンボジア国境衝突を受け、7月にチャンタブリーとトラートの一部地区で戒厳令を発令。

戒厳令は軍に捜索、徴用、集会禁止、夜間外出禁止、非住民の退去、最大7日間の拘束など強い権限を与える法律で、解除には王室令が必要となります。

6. 第31歩兵連隊(ร.31)

ロッブリーを拠点とする「国王近衛第31歩兵連隊」。
機動性が高く、国境紛争で前線を担当。

7月28日の停戦直前5分には、プラサート・タークワイ近郊で領土奪還作戦を実施し注目されました。

7. アージャ ヤンナー(อาจจะยังน้า)

Z世代のネットスラングで「まだ…じゃないかなぁ」と柔らかく断る言い方。

「อาจจะ(たぶん)」+「น้า(〜だよ〜)」の組み合わせで、語尾を伸ばすとさらに柔らかくなる。

例:「今日の私どう?— うーん、まだかなぁ〜」

タイの「直接的拒否を避ける文化」を反映。(断定しない)

8. シグマ(ซิกม่า)

TikTok発のスラングで、「群れずに強い男、独立心の強い男」。

アルファ男性と似ているが、社会的序列より「自分の道を行く姿勢」を重視。

映画『アメリカン・サイコ』のパトリック・ベイトマンが典型例とされ、「シグマ顔」として拡散。

9. ノムナー(หนมน้า)

直訳は「おじさんのお菓子」。
タイの刑務所に由来し、囚人が新入りにお菓子を与えて恩を売り、後に性的な見返りを要求する行為。

元受刑者のEarn Watyai が講演で紹介したことで一般に広まりました。

タイには5つ星の刑務所が存在する?! 携帯使用料100バーツ、ルームサービスあり、ベッドメイキングあり。

 

10. タ イエア(แต๊ะเอีย)

中国系の文化に根ざす習慣で、中国正月のお年玉(アンパオ/อั่งเปา)のこと。

もともとは穴あき銭を腰に結んだことに由来し「腰に挟むお金」という意味。

2025年公開の映画『The Red Envelope』でも重要なテーマとして描かれました。

2025年の検索トレンドは、政治的緊張、文化の変化、デジタル社会の課題を映し出すものでした。
議会内の騒動からZ世代のスラングまで、多様な検索ワードが今年のタイ社会の姿を物語っています。

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