タイ入国管理局、中国・台湾・イタリアの外国人指名手配犯を逮捕。全員が強制送還に。

タイ王立警察入国管理局(IB)は12月2日、主要国で重大犯罪を犯したとして国際指名手配されていた外国人逃亡者4名を逮捕したと発表した。

これらの逮捕は数か月にわたる監視の末に行われたもので、タイが外国犯罪者の逃げ場として利用されることを排除するための取り組みを強化していることをアピールする狙いがある。

今回の作戦では、総額7,800万米ドル相当の詐欺事件を主導した中国人詐欺容疑者、120人以上の被害者を東南アジアのコールセンター組織に誘拐した人身売買組織に関与する中国人3名、さらに台湾とイタリアで重大な麻薬取引の容疑で指名手配されていた2名を逮捕した。

全員は、国外送還の準備が進められている。

1. 7,800万ドル詐欺「グレー中国人」容疑者逮捕

今回最大規模の金融犯罪の摘発となった、中国で違法ビジネス行為の容疑で指名手配されていた中国国籍のPan(41歳)が逮捕された。
この逮捕は、中国大使館からの協力要請を受けて行われた。
Panとその関係者は、偽の企業を設立して不正に融資を受け、中国の金融機関を騙した詐欺組織を運営した疑いがある。

詐欺による不正取得額は合計5.6億人民元で、違法利益は8,000万元に上る。
Panは2024年5月に中国から逃亡しタイに潜伏、逮捕状は2024年11月に発行されていた。

入国管理官は、パタヤのネイルサロンで彼がガールフレンドと隠れているのを3か月間の監視の末に逮捕となった。

現在は中国への送還待ちとなっている。

2. コールセンター人身売買事件で中国人3名逮捕

タイ王立警察入国管理局は、中国当局から指名手配されていた人身売買容疑の中国人2名、Yang(31歳)、Zhang(21歳)、およびZhangのガールフレンドCheng(20歳)を逮捕した。
彼らは、120人以上の中国人被害者をミャンマーやカンボジアの詐欺拠点に誘い込んだ疑いがある。

被害者には、国際クレジットカードを作れば返済不要で現金を引き出せると偽って勧誘し、国境を越えた後はコールセンター組織で強制労働させたとされる。

作戦では、容疑者たちが雲南省や広西省から被害者を違法に国境越えさせる手助けをしたことも確認された。

これにより、被害総額は100万元を超えた。

3名はバンコクのスクンビットおよびラープラオ地区のコンドミニアムに居住しており、当初ビザ超過滞在で逮捕された。
そして中国大使館が、即時送還の調整を行っている。

3. 台湾・イタリアの麻薬容疑者逮捕

タイ王立警察入国管理局はまた、重大な麻薬犯罪で指名手配されていたヨーロッパと東アジアの2名を逮捕した。

・台湾国籍のChen(37歳)は、入管によってチョムトーン地区のコンドミニアムに潜伏しているところから監視されていた。
彼は2023年に台湾を出国している。
2021年にカナダから台湾に「Maplewood」と申告されたコンテナで54kgの大麻を密輸した事件に関与していた。
Chenはビザ申請の書類提出のため入国管理局に現れた際に逮捕された。

・イタリア国籍のシモーネ(26歳)は、エカマイ地区のコンドミニアムで拘束された。
彼は2024年9月から2025年6月にかけて、ヘロイン、コカイン、エクスタシーなどの麻薬をイタリアの組織に国際郵送で輸送した疑いで、イタリア・アスティ裁判所から指名手配されていた。

両容疑者のビザは取り消され、それぞれの国への送還準備が進められている。

 

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