
ユネスコ(UNESCO)は、2025年の「ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)」の新メンバーとして、タイのナーン県とソンクラー県を正式に認定した。
これは、タイの持続的で力強い文化的可能性を国際的に証明するものとなった。
ザビダ文化相は2025年11月1日、今回の認定について、ナーン県が「クラフト&民芸部門」、ソンクラー県が「食文化部門」で選出されたと発表。
これは、タイ政府の創造経済政策と文化的強みを反映していると述べた。

◆ナーン県 ― クラフトと民芸の街
ナーンは「職人―コミュニティ―自然」というテーマのもと、「生きている古都」として評価された。
タイルー(ไทลื้อ)族の織物、イウミアン(อิ้วเมี่ยน)族の銀細工、現代的な竹細工、古代ボースアック(บ่อสวก)窯、「Whisper of Love(愛のささやき)」の壁画など、伝統工芸が今も日常生活の中に息づいている。
また、パヤナーク(ナーガ)船の船首彫刻や、マラブリ(มลาบรี)族によるGI(地理的表示)保護を受けた森林ツル製バッグも象徴的な作品として挙げられた。
これらの工芸は、ナーンの地域の知恵と自然との共生を体現している。

◆ソンクラー県 ― 食文化の街
「二つの海の街」と呼ばれるソンクラーは、独特の地理的条件に根ざした食文化で高く評価された。
淡水・汽水・海水が共存するソンクラー湖と、タイランド湾に囲まれた地域は、「ノード・ナ・レー(โหนด นา-เล)」(砂糖ヤシ・水田・海)と呼ばれる生態系を形成し、多様な地元食材を生み出している。
これらが料理と文化的アイデンティティの基盤となっており、食文化と料理フェスティバルは文化的豊かさと持続的発展の可能性を示している。

◆界的な評価とASEANの誇り
ザビダ文化相によると、今年ユネスコは41か国・58都市を新たに創造都市ネットワークに追加した。
内訳は、クラフト&民芸14都市、文学10都市、食文化10都市、音楽9都市、建築5都市、デザイン4都市、映画4都市、メディア芸術2都市である。
同相は、ナーンとソンクラーの加盟により、知識交流や協力ネットワークを通じて文化遺産を国際的に発信し、経済・社会・環境の各分野で持続可能な発展を促進できると強調した。
文化と創造性がその原動力になると述べている。

ASEANでは、以下の都市が新規認定を受けた
・フィリピン:ドゥマゲテ市(文学)、ケソン市(映画)
・ベトナム:ホーチミン市(映画)
・インドネシア:マラン市(メディア芸術)、ポノロゴ市(クラフト&民芸)
・マレーシア:クアラルンプール(デザイン)







































