- Home
- チョンブリー(パタヤ)
- 【パタヤ今昔物語】かつての「夜遊びの都」、黄金期を過ぎ新たな局面へ。変化と今後の課題。
【パタヤ今昔物語】かつての「夜遊びの都」、黄金期を過ぎ新たな局面へ。変化と今後の課題。
- 2025/11/1
- チョンブリー(パタヤ)

タイ・チョンブリー県にあるビーチリゾート「パタヤ」は、「東南アジアの夜遊びの都」として名を馳せている。
しかし2025年現在、街の空気が明らかに変化しているという。
欧米からの長期滞在客は減り、代わりにアジア圏からの旅行者が街を賑わせているのだ。
◆リトル・ムンバイ化するパタヤ
近年のパタヤでは「リトル・ムンバイ」という呼び名が地元でも聞かれるようになった。
これは、インド人旅行者とインド系エンターテインメントビジネスの急増を示していることは明らかだ。
※ムンバイ…首都デリーと共に南アジアを代表する世界都市の一つ
ウォーキングストリートやソイLKメトロには、インド料理店やボリウッド音楽バー、インド人経営の旅行代理店が次々と出店。
街角ではヒンディー語の看板やインド音楽が流れ、かつて欧米人主体だった雰囲気が一変している。
SNS上では「夜に一杯飲みに行くたびにリトル・ムンバイに入り込んだ気分だ」といった投稿が見られる。
一部の欧米人観光客からは「昔のパタヤらしさが薄れた」との声もあるが、一方でタイ政府観光庁(TAT)は、インド市場の拡大を歓迎しており、バンコクでは「グランドディワリ フェスティバル2025」を初開催している。

◆主な変化のポイント
その他、かつてとの変化のポイントを上げてみた。
①欧米系の常連客からの離脱
長年パタヤを支えてきた欧米からの旅行者が減少傾向にある。
実際、2025年前半の統計では欧米からの旅行者の比率が低下し、アジア近隣国からの訪問が増えていることが確認されている。
②新たな旅行者層とニーズの台頭
インド、マレーシア、アジア圏からの短期・団体観光客、買い物・SNS目的の若者層などが目立って増加。
彼らは「深夜のバー通い」だけでなく、ショッピング、SNS映え、家族・友人連れといった滞在スタイルを好む傾向がある。
③収益モデルと業態のミスマッチ
旧来のモデル(長期滞在・ナイトライフ主体の西洋客)から、滞在時間短縮・消費単価低下・訪問頻度減といった構図へとシフト。
ホテル業界の調査では、2025年第2四半期には「前年同期比で収益減を見込む」と答えた事業者が半数を超えている。
④街づくり・イメージ刷新の動き
パタヤ市当局および関連団体は、「ナイトライフの街」から「オールシーズン・ファミリー/アクティビティ型観光都市」への転換を試みているという。
そのため、アジア・中東からの高付加価値観光客獲得、空港アクセス改善、娯楽コンテンツの拡充といった取組みがあげられている。

◆観光客・関係者の実感
「かつてのように深夜までバンドが演奏し、バーは外国人でごった返して…という感じじゃない」
「もう“欧米向け長期滞在ナイトライフ”とは別物になっている」
といった声がSNSや現地メディアで散見されるようになった。
特に、夜遊び主体で来ていたリピーター層から「雰囲気が変わった」「アジア系団体客や若者が主流になった」とのコメントが上がっている。
一方で、ホテル・飲食業界といったナイトライフの供給側も、「イベントを増やして多様化しないとこのままでは厳しい」との認識を共有している。
◆なぜ「変化」が起きているのか
・経済環境:為替・物価の上昇、高額消費旅行者の減少。
・旅行者の志向変化:欧米系長期滞在型から、アジア近隣国・短期滞在・SNS重視型へ。
・インフラ・政策種変化:アクセス改善・新空港整備・家族向け観光へのシフト。
・供給側の反応と適応:ナイトライフ中心モデルから、昼間・複合型の体験機会の強化。

◆パタヤはどこへ向かうべきなのか?
・パタヤが夜遊びの王座を維持するのか、それとも別の観光特性に転換するのか。
・夜遊び・バー・クラブ主体の市場が縮小するなら、どの業種が伸びるのか(例:ウェルネス、ファミリー、ショービズなど)。
・「昔のパタヤ」を求める層と、「新しいパタヤ」を楽しむ層の間でのギャップ。その中での再編が課題。
・利益構造の変化に応じたホテル・飲食・ナイトライフの事業転換や経営適応。(廃業と新規の統廃合)






































